0から1へ

2017年8月6日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎0から1を生み出すことってえらいこっちゃ

大分日田の現場で、ゼネコンさんたちと0から1という話がよく出ます。1から10に進むのはそんなに難しくない。しかし1から0っていうことは並大抵なことじゃないと所長さんは言います。
そうなんだろうとわたしも思います。もちろん1から10にたどり着くのも大変なことです。しかし、0から1を生み出すためには、日々、四方八方、四六時中、何かしら1になるものを探していなければならないように思います。頭や感覚が休まず動き回っているそんな状態でなければならないのです。いつ0から1へのヒントに出会うかわからないからです。ヒントは自然に降って湧いてくるものでもなく、急な閃きのように感じるだけで、実は1を生み出すためにいつも準備をして、ひらめきの畑を耕しているように思います。そう、1を生み出す閃きの神様は努力をしている時にしかやってこないのです。

わたしの仕事は0から1を生み出すことを期待される仕事です。
先ごろ、とある会社の商品開発の担当役員の方も、「そろそろ次の企画、なんか閃いたんじゃない?」とわたしに閃きの神様がやってきたんじゃないかと期待します。すみません。これってまだないんです。ただなんとなく次はこんな感じかなぁなんてくらいなんです。
閃きの神様がやってくるように四六時中用意をしていなくてはならないのですが、凡人たるもの、やはり疲れるもの。最近はなんだか目の奥が痛くなったり肩が痛くなったりと、よろよろです。なんでも神様は元気で美しいものが好きだから、これではダメですね。

岡部泉

日田の新館

2017年8月5日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎屋根ができたぁ、、庭がみえてきたぁ

2月から始まった工事ですが、1階2階3階とコンクリートが打ち上がり、ようやく最後、屋根。毎週のように通う現場ですが、仮囲いの向こうに屋根の形が、、。見えてきたぁ。高さを制限したつもりでしたが、それなりに勾配もあり大屋根としての迫力があります。こうして屋根ができて全体のプロポーションが見えてくるとようやく建物としての存在感を感じることができます。となると、この館の車からのアプローチの視点が気になります。こんもりと茂った濃い緑色の大きなクヌギが2本、この館の半分を覆ってみえます。そこで造園やさんのK氏にこのクヌギを大胆に剪定してもらうことにしました。こんなにおおきくなったクヌギに申し訳ないなと思っていましたが、K氏は大丈夫、クヌギはすぐにおおきくなるからねと。そうか、原木椎茸の材料にしてもらえばいいかと思いざっくり切ってもらうことにしました。
(このクヌギを使って原木椎茸栽培を広い広い敷地の中でやればいいんじゃないかと心の中で思うのですが、そんなことをしたいなんて思う人はいないかぁと思ったり。。本来はこんなに土地があるので食材を育てたいって思うくらいじゃないと山の料理屋の価値って生まれないと思うけど。。そこらへんの菌床椎茸を出しても仕方ないんだけどな。。)

さて、話を戻すと造園という仕事はとても大事です。造園は建物と自然との調和を図るいわば潤滑油のようなものです。ここの壮大な景色と人工的な建物との調和を図るのはかなりむずかしさがあります。ここは里山的ではなく、原始の隆起してきた古代を感じるような風景なのです。作りこみすぎるとかえって自然と離れすぎて分離したものになります。しかし何もしないと庭としては成立せず、人が過ごしづらいのです。壮大な景色と人の手が入った庭を交互に眺めた時に、おかしくならないようなバランスが必要です。程よい自然との結界をつくることがこの現場には求められています。

時にこの施設面積は相当に大きいのですが、手入れもされずに放置されつづけてきた植木たちはその結界の役割を放置されたかのようでした。造園のK氏にこの木があるべき役割に戻す作業をしていただきます。上手に結界と結界を外したところを作ってもらう、これが今回の造園のテーマです。
随分と大胆に野放図な木が整理されていきます。これからの調整が楽しみな造園の段階に入っていきます。

それにしてもこの暑い暑い日々が続く中、働いてくれている現場の人たちに感謝をすると同時に体に気をつけていただきたいと思うのでした。

岡部泉

左官の物語

2017年8月4日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎原田さんの材料は日本をめぐる

私の左官好きの理由は何かというと左官ほど自然素材を使う仕事はないなと思うからです。今日は、日田の新館の梅干し壁と言っている赤い壁のベンガラの色を決めることと段取りの打ち合わせを日田の左官の名士、原田さんとします。日田には左官仕事がたくさん残されていますが、どのまちにも左官の由来があるようです。一通り打ち合わせが終わって、原田さんの左官の講話が始まります。私の大好物な話です。

もともと、原田さんの家は土間をつくったりする普通?の左官をしていたそうですが、ある時、昔ながらの左官の魅力に取り憑かれたそうです。そこから日田どころではない九州を代表する左官になられるわけですが、その左官の魅力とは、その素材のこだわりにあると思います。そしてその自然の素材同士がある工程の中で巻き起こす科学の妙だということです。大きくは土とつなぎの素材の話なのですが、お話を聞いているとまるで健康な料理の話みたいです。シックハウスに悩まされる人たちにとって土壁は健康建材なので納得です。

まず、函館の天然の銀杏草(関東ではツノマタと言われているもの)のお話。銀杏草は漆喰の糊の役割をするそうです。漆喰の主な材料は「消石灰」と「すさ」とこの糊、つまり「銀杏草」。原田氏曰く、とっておき銀杏草は函館のものだそうで、わずが4月の15日〜30日の収穫時期にしか採れなくて、それも潮目を見ながら採るそうです。そして「すさ」。すさは大麻草の茎を乾燥させてつくるものですが、今は何やら大麻草って言うと悪いようなものですが、元々は大麻は神事に使われる神聖な植物です。しめ縄も相撲のまわしも大麻から採れる麻なのです。最近は、ジュートだったりで代用したりしているでそうです。ふ〜ん。土壁は本当に自然の産物からできているんだと改めて思います。しかし、だんだんと採取する人もいなくなったり、その産物もイエローデータになりかけているようです。
いつも伝統工芸というものは、自然環境を図るものだと思うのです。伝統工芸は、単に技術の伝承でなくその背景を現代につなぐためにあると思います。
その背景とは人が自然と共生することを美を介在しながら伝えているように思います。驕るなよ、人間。守ろう、自然。こんなことを伝統工芸には感じるのです。

そして、そこには不思議なことに自然が教える科学があると気がつくのも、面白いことです。工芸の存在理由に、古代から実証されてきた科学の力があるということ、それが工芸の魅力であり、ますます工芸をさらに愛おしくさせるのです。

再び梅干し壁が楽しみになりました。

岡部泉

梅の意匠

2017年8月2日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎まずは梅、梅、梅の絵を描こう

いろんなことあるけど、今、目の前にあることをきちんとやろう。奥日田温泉の最終のオープンは今年の11月です。だから10月までには納めないといけないのです。そのためにはわたしの仕事は8月が決戦なのです。ということでこの日田のデザインは7合めまで見えてきました。もちろん現場はまだまだ先があります。今5合めくらいだと思います。一番苦しい時かと思います。暑い中本当に大変なことと思います。梅干し色の左官壁はどうなるのかな。。

わたしの仕事は最後の山、特殊意匠というアクセサリーをつけてあげることです。これがわたしの物件ではとても大事です。アクセサリーは派手すぎてもいけませんが、地味でも非日常空間では物足りないものになるのです。

旅館は住むわけではありませんので、ある意外性も必要です。しかしレストランよりも長い時間を過ごすのでその意外性も優しめがいいですね。
とりあえず、梅の絵をたくさん描かないといけません。梅、梅、梅。今週のわたしの課題です。

岡部泉

8月のがっくり

2017年8月1日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎手のひらの孫悟空

とある案件が暗礁に乗り上げました。急な延期です。「まじっ!」てこの案件に関わったひとが誰もがそう思ったことでしょう。この案件、なんだかんだともう4年くらい企画と形を変えてやってるんだけど。ようやく確認申請も出し終わったのですが、それでもわたしはだめなんじゃないかと予感していました。この予感が確信に変わる前になんとかしたかったのですが、どうにも闇の中でした。それがわたしのこの2ヶ月のストレスでした。

予感が確信に変わりました。やっぱりね。こうなるよね。
それでも、これまでやってきた年月を考えると全身から力がなくなっていきます。一体何回この案件の図面を書いたんだ。ある時はロッジ、ある時はCLT工法、そして今はラグジュアリーホテルへ。一体何回めなんだとここ数年の図面が走馬灯のように頭の中を巡ります。まさにぐったりげんなり。

オーナーからは、ラインで「もっといいものを作ろう!」「デザインがんばって!」って来てます。さらにグレードを上げるつもりらしい。。「もう力残っていません。だってオープン再来年だもの、それまで元気でいれるかわからないじゃないですか」と返信。「何を弱気なこと言っているんですか」と檄が飛びます。オーナーとわたしは同い年です。
だってぇ。。。とブツブツ思ってももうやるしかないのです。おまけにもう一案件プラスされてその案件についてもじゃんじゃん質問がくっついてきてます。えっこれも?。。もうだめだ。。これ以上だめだ。。といいつつやるんだろうな。。。

悲しくも働くように生まれついているんだ。そして困難があれば乗り越えたくなる性分なんだ。なんと効率の悪いやつなんだろう。これも見透かされてのことなんだなと孫悟空みたいにどこかの手のひらの乗っかって悩んだり走ったりする自分の姿が見えました。

岡部泉

馬の日高

2017年7月31日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎馬、馬、馬、、

日高というところに初めて行きました。ここはサラブレッドを育てる牧場がたくさんあるところです。行ってみると綺麗な柵に囲まれた馬の牧場が続いています。まさに馬の国です。ハイセーコーもオグリキャップもみんなここで生まれ育てられました。綺麗に整備されている様子に今までにみたことのない北海道の風景をみました。ここから金の馬がうまれるんだなと思います。

わたしの今回の調査目的は、この綺麗な牧場を通り越して日高山脈が見える地域にあります。そこには、北の国からの五郎さんみたいなひとがいました。全くもって平成の五郎さんなんです。その土地にある素朴な家に電気あるのかな、水道あるのかな、と聞きたくなるくらいでした。しかしそこで三人の子供達を育てたんですとその方は言います。今はその五郎さんみたいな家から新しい家に移ったとのことですが、その家もまた森に囲まれた素敵なというか自然そのもののところです。もう引退したから好きなことしてるんだと言われますが、73歳にして、山にのぼり、畑をやり、すごい元気オーラでていました。

奥様も出てこられて、星がすごい綺麗なのよといいます。天文台になるようなデッキをつくっている最中でした。時々クマもいるけど怖いって思ったことないのよと。そうか。この方もすごいです。車にもクマの足あとのマークがありました。わたしの子供のころになりたかった職業のひとつが炭焼きやさんでした。ここなら存分にできるだろうとおもいました。

あと30年若かったら、この方々のご近所さんになれただろうとおもいます。さすがにこの年から開拓者になるには無理そうです。

岡部泉

枠外の人間

2017年7月30日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎巨大老人施設

今日は絶対に会社に行かないと決めて、目を休めることにしました。それなのに、ふと夜になってテレビをつけると巨大老人ホームのドキュメンタリーをやっていました。それがとても興味ふかいのです。

その中に登場する女性がこう言います。キャリアウーマンだったその方は、こう言います。わたしは面倒くさがりだったから一人でここまでやってきたのよ、でも独立心はあったわよと。そして今は枠外の人間だからねと強い口調で言います。

枠外か、、こころに残る言葉です。自分ももう直ぐ枠外になっていくんだとおもいました。でも考えてみたらそもそも子供のころから枠外だったかも。転校ばかりで土地に馴染みもなく、それで変わって見えていたのか、いつもひとりだったな、でもそれが良かったのかも。ふるさともなく、幼な友達ももなく、組織にも入れず。だから今があるのかも。

その女性の顔と言葉がいつまでもこころに残る夜でした。

岡部泉

目に黒点

2017年7月29日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎まずい、本当にまずい

蓄積疲労ってこういうことなのかとおもいました。夜中の帰りのホームでスマホを見ていたら黒い線が見えます。あれっ、スマホ壊れたのかなとおもい、目を移すとホームの向こうにも同じ黒い線が見えます。

あれっまずい。これってひどい状況なんじゃないかとおもいました。ネットで調べてみると原因は病気でなければ老化とストレスと書いてありました。そうなんです。なんでも心の疲れが病の元なんです。これは目薬とかそういうことでなく、心を休ませることが必要なんじゃないかとおもいました。それと同時に人間ドックも予約してみました。なんといっても体が資本な仕事です。デザイナーって感性の仕事とおもいがちですが、実は肉体労働なんです。

明日は休まないと。ついつい毎日仕事をしてしまうのですが、明日は絶対とこころに誓うのでした。

岡部泉

東京打ち合わせ

2017年7月27日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎今日は初めての東京打ち合わせ

今日は、いつも大分で打ち合わせしている建設会社の方々が当事務所に見えて打ち合わせをします。いつも現場事務所で会っているメンバーなので、妙に恥ずかしいような変な気持ちになります。いつも先生って呼ばれてあーでもないこーでもないって言ってるのに、先生、、こんなとこぉ?って思われないようにと思いますが、急には変えられないので、室温だけはむやみに急冷にしておきました。

ひえひえにしすぎたのか、いつも暑がりのN氏がこそっと空調の温度を下げにいくくらいでした。サービス過剰だったかな。打ち合わせをひとしきり行い、設計士のT氏は残念ながら先に九州に帰り、夕方からは残ったメンバーで反省会、という飲み会。
大分では珍しいものと思って、うちの近所では人気のポルトガル料理屋へ行きます。いつもは焼酎ばかりなのでワインと洒落てみました。でもN氏はもともと新宿育ちなのにいつの間にか九州人そのものになっています。いつもながらに楽しい反省会でした。

岡部泉

札幌へ

2017年7月25日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎もう飛んでも飛んでも

最近どんだけ飛行機に乗っているんだろうとおもいます。今回は九州から北海道へ連続飛行機。飛んで飛んで〜なんて歌もあったっけ。飛んでも飛んでも終わりはないのです。

不毛な打ち合わせの帰りの飛行機では、首ってなんで細いんだろうっておもいました。どうしてこんな重い頭にこの細い首?
全く道理にかなっていないように思います。そのおかげで首が飛行機の揺れに耐えようとして首の筋肉がコチンコチンになってしまいます。

この揺れに耐えられる緩やかな首を持ちたいものです。そして心にもこんな揺れに耐えられる余裕と強さが必要です。

岡部泉