悲しみの日

2017年4月7日 | izumi | あかん湖温泉, イエローデータデザイン日記

◼︎優しくひたむきな人

急なことでした。毎回北海道で工事をするたびに、木彫の仕事をしていただいたり、作品つくりをお手伝いしたりと12年あまりもご一緒させていただいた木彫家の滝口先生が亡くなりました。

つい昨年の忘年会で一緒に笑ったりしていたのに。。あまりに突然でした。
訃報のお知らせを聞き、先生のアイヌコタンの店に伺います。一階の店舗兼アトリエには、作りかけの女性の木像に形取りの黒い線が引かれています。まだまだ作り続けようとしていたことがわかります。二階の部屋に上がると先生の隣に小さな椅子に腰掛けた奥様が下を向いたままでいらっしゃいます。とても仲の良いご夫婦でした。お声をかけると、お互い抱き合って、奥さまは涙をいっぱい溜めて「いつもいつも感謝してたんです」そう言ってくださいます。それはこちらこそです。鄙の座のウエルカムラウンジのために羽を広げたシマフクロウがいる大きな椅子を作ったもらったのが最初でした。私のスケッチから理想的な木彫を作っていただきました。スケッチをみてうんうんとうなづいて、ひたすらノミを持ち木に向かう先生の姿が思い出されます。網走の長く大きなバーカウンターには、オホーツクをイメージした文様を私がチョークで描き、その後先生が彫刻してくれました。そしてそのカウンターの端に先生と私の名前を彫り込んだ後、どうだといわんばかりのお茶目な顔も思い出に残っています。優しく本当にひたむきな方でした。

先生のお顔を拝見すると、まるでゆっくりと眠っているようです。あの女性像どうしようかなと作品の構想を考えているようです。ご本人もまだ気がつかれていないように思えます。
この日にここに来れたのも、ご縁です。先生にお別れと感謝を申し上げることができました。そして、またあちらの世界に行ったら一緒に仕事しましょうとお伝えしました。

岡部泉