東北の沿岸のまちづくり

2016年11月12日 | izumi | イエローデータデザイン日記, ソウルオブ東北

◼︎女川のまちを訪ねます

仙台から松島を通って女川へ向かいます。松島は初めて訪れます。松島はなんといっても、天橋立、宮島と並ぶ日本三景です。土曜日の行楽シーズンということなのか、予想以上の沢山の人出です。歩道には人が連なっています。松島は震災の時には、被害が少なくほとんどの店舗や家がきちんと残っています。そのほかの沿岸地域とのあまりの差に驚きました。それは松島の島々たちが津波の力を吸収してくれたからだという事を聞きました。

松島では、穏やかな松島の風景とアナゴのひつまぶしとカキフライを食べて、観光客気分満喫です。東北の沿岸を回ってこんな気分になったのは初めてです。普通に楽しめるのです。松島はこれからも観光地として大丈夫なんだな思いました。でもひとつ気になるのは松食い虫にやられてる松が多かったことです。松のない松島では困ります。

松島を抜けて、石巻、そして女川へ。石巻は一番最初に東北に入るきっかけになったところです。あの当時は商店街がとんでもないことになっていて、どうしようもない気持ちになりました。しかし、風景は思い出せないほど大きく変化しています。

女川は、テレビでもよく放映される土地です。駅と海まで抜ける商店街をこうして実際見てみると、複雑な気持ちになりました。

この駅は石巻線の終着駅なのです。坂茂氏のデザインによるものです。まちのにぎわい拠点をつくるコンパクトシティという構想でした。駅には温泉があり、地域の人たちが楽しむ場となっています。商店街は雑貨店、お土産やさん、カフェバー、ギター作りの工房、居酒屋、中華、スナックと様々なテナントが沢山並んでいます。新旧世代の混合という感じです。建物はモダンなデザインとなっていて軽井沢の星野やさんのようなイメージです。

しかし、もう夕方だというのにオープンしている飲食店はほとんどありません。昼間の経営か終了している店もあります。ぶらぶらと見ていたら、そのひとつの店の人が声をかけてくれました。お店でコーヒーをいただくことになりました。いろいろと話をしてくれました。住居は山側に移転したので、この周りに人通りは少ないのだということです。また、住宅ができるまでに仙台や石巻に移ってしまった人は、もう戻ってこないと諦め顔で話してくれました。人口が少ない上に、代行タクシーというものがないことと宿泊施設がないことで(トレーラーハウスの宿泊はある)、なかなか集客が難しいようです。9月から最近まではサンマ船と原発の作業をする方が多かったからよかったけど、自分たちもそろそろどこかに移ってしまおうかと思っているとのことでした。

日も暮れて夜になり、きれいに整備されたデッキテラスの樹木がアッパーライトに照らされて、リゾート地のようです。これからこの周りには郵便局や庁舎ができる予定のようです。ここまでつくるには沢山の話し合いがあったことかと思います。まちを考えることって本当に難しいことだとつくづくと思いました。

岡部泉