器のかつぎやさん

2012年10月5日 | izumi | 風流生活日記

■肩に風呂敷の結びが食い込む

昔から御世話になっている瀬戸の陶器やさんが上京してきました。渋谷のレストランで久しぶりに陶器の話をしました。今は、産地問屋さんも消費地問屋さんもえらく儲かっていた時代がありました。陶器はギフトで使われ飛ぶように売れたものです。何も考えずに作っても次から次へと売れたものです。そんないい時代を経験した方々も今はとても苦労しています。陶器受難の時代です。これから陶器の行く末を心配しつつ、昔、どんな営業をしたかの話をしてくれます。かつては、今のようにカタログを持って行けるわけでもなくネットがあるわけでもなく、ただ沢山の器を担いで営業をしたそうです。担ぎ屋と呼んだそうです。担ぎ屋の自慢は、どれだけ重い器の風呂敷を担げるかということでした。この方のお父さんが、いつも肩に食い込んだ風呂敷の結び目を見せてくれたそうです。そうならなければと思ったそうです。

商売が、肩への重さと同じように、実感として感じられた時代の話です。

今のように全てが軽く早く済ませられる時代には、あまり感じられなくなったことなのでしょう。

岡部泉