嬉野茶時

2019年10月11日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎煎茶の深みをいただく

嬉野の茶農家さんが茶畑の中で自身がつくった茶葉でお茶席を設けてくれます。それはそれは見事な景色です。濃い緑の茶畑の向こうには大村湾が見えます。こんなに海が近くにある茶畑の風景は初めてみます。この風景を高台から望む茶室で、フレンチのシェフのようにコックコートを着た生産者さんが、スパークリングのお茶、奥緑という名前のお茶、嬉野の特徴である釜炒り茶などをお点前してくださいます。それぞれに合わせて新米の小さなしのぎのような結びや梅ペーストの入った最中などがペアリングされます。なかなか凝った趣向によりお茶の味や香りが引き立ちます。なんといっても奥緑の華やかな香りとコクのある甘みがとても印象的でした。

私も母の実家であったお茶どころの静岡で生まれました。母の実家でも茶畑がたくさんあって、子供たちは茶摘み休暇というのがあったくらいです。ということで我が家のお茶の消費はとても高いものでした。その習慣は今も続いていて、緑茶を煎れるは毎日の朝の日課です。

7人の茶農家さんがつくる茶時というプロジェクト。とても美しく洗練されたイベントをされています。各農家さんの茶畑にそれぞれの茶室、茶をいただく場としての野外の茶室ですので、竹でできていたり、杉板で作られていたり、それぞれにしつらいが工夫されています。

だんだんとお茶を急須で淹れて飲む人が少なくなったという危機感と、新しいお茶の味わい方を提案するためにこのようなお茶のセレモニーをされているそうです。とてもしっかりした考えと高い美意識に感心してしまいました。もっと丁寧に家でもお茶を淹れ直そうと思うのでした。

岡部泉