阿寒へ

2019年4月24日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎木彫の国

阿寒へ行きます。昨年、悲しいことがありました。とても親しくしてもらっていた藤戸先生がなくなりました。阿寒の木彫家でリアルな彫刻を得意としたアイヌの方でした。藤戸先生の彫る熊や狼の毛並みは、本当にリアルで一本一本の毛の質感を感じることができます。リアルに徹した木彫家です。お家に呼んでいただき、いろいろな話を伺い、また木彫をする姿もよく拝見させていただきました。

奥様はお元気でいるでしょうか。。いつも気になっていました。本当に仲の良いご夫婦でしたので、気落ちしていないか心配でした。せっかく阿寒にきたので、お寄りしてみます。「あらぁ、、」とお迎えしていただきました。藤戸先生の御霊前にもお線香をあげさせていただきました。その遺影の写真の瞳はどこから見てもこちらをみているようです。「おい、ちゃんとがんばってるか」と言われているようでした。

奥様は、エゾシカの皮で財布やポシェットをつくりはじめていました。息子さんも繊細な木彫をしています。この間レクサスの展示会に出品したそうです。確実にみなさん歩き始めています。本当によかった。

阿寒に来た目的は、木彫の調達です。この方も数年前になくなられましたが、エカシ(村長)だったトコさんの彫刻をいただくことにしました。息子さんは、阿寒のリーダー的存在です。2メートルほどあるトコさんの彫刻は、抽象ですが自然の息吹を想像させるものです。原初的な形が碧の座のコンセプトにも合います。トコさんにもいろんなことを教わりました。この彫刻が碧の座に来るのも何かの縁なのかもしれません。

作品名は、「ヤイレスポ我自らを育てる」
我、自らを育てる、我、自らを生み、自らに命を与える、我、神なり、我、人間なり、我、自然なり、風となり 光となり 黄金の玉となり 森羅万象の命となる

このような詩がついています。
哲学者だったトコさんのことを思い出します。

阿寒には、静かな想いがひたひたと漂っています。
これで東京に戻ります。

岡部泉