縄文暖炉

2019年3月23日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎巨大な土偶のボディ

碧の座の暖炉を久住さんに塗ってもらっています。大きなぐるぐるの縄目が印象的な暖炉です。スサが入ることで土器と違って動物の毛並みのようなふわっとした質感があります。
段差のある細い足場の間をくぐり抜けるようにするするとくぐり抜けていきます。その姿とスピードはジャングルの木から木を渡るお猿さんのようです。円柱の暖炉を囲み、たくさんの職人さんが塗ってくれていますが、その全員のコテの使い方を鋭く観察しています。少しでも違っているとするすると近寄り修正をしていきます。

本当の職人です。それも本当にトップの左官です。面白いです。左官という世界の中で組み立てられてきた経験の積み重ねがあります。そして本当に土が好きなのです。土壁のことを話す時は永遠の少年のようです。

ずっと見ていても飽きないほど、この縄文暖炉はみるみる成長をしていきます。

岡部泉

記憶

2019年3月20日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎捨てないと入ってこない

人生の最も佳境な時かもしれない。。それほどにたくさんのやることが押し寄せてきます。もう記憶にとどめることができません。
時間があればひとつひとつ丁寧にとおもうのですが、そうもいかず、わたしの限られた脳の引き出しはしまうところがないようです。

次々にわすれていかないといけません。引き出しの中身を捨てながら、次のことを受け入れなければ。。

また明日は支笏湖へ行きます。現場の足場がとれたというお知らせがありました。所長の声が妙に明るい。先が見えた証拠です。次においこまれるのは私です。。。

岡部泉

別れの季節

2019年3月20日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎別れには慣れている

桜も咲き始めるというこの季節。卒業式があったり、人事移動があったりと別れの季節です。

数年間、ともに過ごした時間はとても大切で愛おしいものと思うでしょう。そしてそれが失われると思うと悲しくなります。

私は別れにはとても慣れています。転勤族だったので、桜の季節でなくともみなさんにさよならしてきました。

あまり悲しくも思わないのはとても、冷たいようですが、それも仕方ありません。転校するとまた次の新しい場面をむかえられると思い、かえって面白く思っていました。

人と人の出会いにはずさよならがつきもの。それは生きていることはおしまいも迎えるということと同じです。別れのないものはないのです。別れて次の世界へはばたけるのです。

いつでも新しくありたい。そんな性格はこんな環境からうまれたのかもしれません。

岡部泉

久しぶり

2019年3月19日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎昔の時間がもどってくる

今日は、若い頃、アシスタントをしていた時代。その時代をともにした友人に会いました。苦しい時代でもありました。理不尽なことに愚痴をこぼしたり、時には喧嘩したり、いろんなことを一緒に過ごしました。

今でも時々電話したりしているのですが、こうして会うのは久しぶりです。

えっ還暦!自分のことをさておき驚きました。
なんとなんと時間は着々と私たちの間にもあったのです。
声も、姿も雰囲気も変わらず、今でもチャキチャキしています。ほんとがんばってるな。お母さんの介護も大変なのに、ちゃんと仕事しています。えらい!!よくがんばってる。
でも自分の時間も大切にしてほしい。そんなこと言ったら「あんたもだよ」と。私たちは働くことに慣れすぎています。いつでも働いているのです。働いて働いて、また働いて。

そんな人生を送ってきた、そして今も送っている私たちでした。よし!これからも頑張ろう。

岡部泉

ヒステリー球

2019年3月18日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎ストレスの形

ここ3ヶ月くらい喉に何か異物感がありました。別に飲んだり食べたりできるのですが、一体なんだろうこれはと思っていました。それがヒストリー球(別にヒステリーを起こしているわけでないのですがそう呼ぶようです)、咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」と言うそうです。漢方の世界では、梅の種が喉にあるような感じがして、飲み込むことも、出すこともできないことに例えて「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれているそうです。
この言い方に納得です。梅の種がそこにいるような感じがするのです。

その原因とは、まさにストレス。ストレスによって喉の部位で気の停滞が起こっているらしいです。

そうですよね。納得、これはストレス球なのです。私が言い換えて良いとすれば頑張り球です。

今、仕事人生最大のピンチを向かえているし、全く自信を失うような孤独の闇のようなものを抱えています。この仕事大丈夫かなって初めて思っています。時間がとにかくない。そしてどうしようもなく仕事の数と量なのです。時間はつくるものとか正論を言ってる状態ではないのです。

いつかは終わると信じて、今日も頑張ろう。この頑張り球を抱えながら。

岡部泉

ザ・職人

2019年3月12日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 未分類, 碧の座物語

◼︎久住さん、こういう人は滅多にいない

碧の座の工事も終盤をむかえます。終盤というのは足場が外れる時。そのあとはひたすら床をはって仕上げていきます。

その終盤にむかって、ラウンジの暖炉カバーをつくります。今回は初の土壁暖炉です。テーマは縄文。いろんな絵を描きましたが、これでいいかと思うところまできました。

土壁を久住さんにお願いします。今日は久住さんと打ち合わせをする日です。私が描いたスケッチを送ってあります。しかし、久住さんも縄文というテーマにそってスケッチを用意してくれていました。

久住さんのスケッチはとても複雑で凝っていました。それも面白い。でも久住さんは、やっぱりこっちがええな、さすがや、と私のスケッチをみて言ってくれました。いい人です。

こういう仕事は大好きです。わくわくするのです。高度な技術と熱意がある仕事。時間を超えてまで熱中できる仕事。これこそ私が求めていた仕事です。ほんとに楽しい。東京にいるといつもお世話ばかりです。でも工事現場には、たくさんのプロフェショナルがいます。
その最高峰である久住さん。

6メートルもある暖炉の円筒の土壁。原寸大にして私の絵を描いてくれます。二人で床に這いつくばって縄文文様のカーブを決めたりしていると、おかしな熟年のオタクという風情です。

さてさて、明日からこの原寸大のペーパーをあててトレースしていきます。縄文暖炉の始まりです。

岡部泉

3月11日

2019年3月11日 | izumi | イエローデータデザイン日記, ソウルオブ東北

◼︎追悼

あれから8年が経ちます。長いようで短い時間です。あの日を忘れることはありません。あの日の14時46分。一体何が起きたんだというあっけにとられたような感覚。とてもない出来事がリアルにおきている。それも私たちの近くの地域で。心が大きな杭でうち抜かれるような苦しい気持ちになりました。

ほんの少ししか離れていない同じ日本の国でおきた大きな不幸な出来事に、多くのひとが苦しんでいる、悲しんでいる。
一体何ができるんだろうか。何もわからないままに、東北へ向かいました。

今日、震災直後から通っていた漁協の方からメールをいただきました。

「8年経っても、被災地は防潮堤が完全に完成した場所などなく、30年以内に東北から関東にかけて、マグニチュード7クラスの地震発生の確立が高いなど、不安材料は膨らむばかり」「自分の子供には二度、災害に遭わせたくない」とそのメールには書かれていました。
まだまだ不安は続いているのです。
それは東北だけでなく東京も関西地区にも考えうることです。

私たちが今できることは、この現実を知ること、そして前に進むことだけです。

この大震災が私を大きく変えたとおもいます。こうして8年、東北に通って何も成果はなかったかもしれません。しかし、大切なものは何かを知ることができました。そして自分の置かれている立場が恵まれたものであることに感謝をして、もっと頑張れるようになりました。

今も悲しみをかかえている方々に、心より追悼の意を表します。

岡部泉

クルビ味

2019年3月3日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎風土の会はクルビ味

岩手の里山で風土の会がおこなれました。

子供からお年寄りまで、男女問わず、たくさんの方が集まります。古民家でこの土地に伝わってきた素材を使ってみんな料理をつくって、食べる会です。

今回のテーマは「くるみ」と「どんぐり」私の大好きなテーマです。くるみとどんぐりは縄文時代からタクンパク源として食べらえてきた健康素材です。どんぐりは、あまり口にすることのない食材です。アク抜きが大変なので、なかなか出回ることがありません。しかし、うちにはこのどんぐりの粉があるのです。これも岩手から送られてきたものです。どんぐりは保存も効きます。

くるみは鬼くるみ、姫くるみといろいろな種類があります。くるみは高栄養食なので、くるみ餅、くるみ豆腐、くるみ和えなどにします。
どんぐりはどんぐりの栗包み、そしてどんぐり羊羹。。

子供たちと一緒にくるみを割り、くるみをほじくり出し、すり鉢ですります。すごい量のくるみの量です。どんぐりは既に栃の灰汁でアク抜きしてもらっています。それぞれのテーブルで食の匠のお母さんに教わりながら作ります。いつもこの会に参加してくださるお母さんの最高齢は87歳。しかし、とてもとてもお元気でお話しする内容もとてもしっかりしていて感心してしまいます。夢がなくなった時に年寄りというだよと教えられます。
温かな日差しに包まれた縁側からいろんな人たちの楽しそうな声が響きます。

いいな、、食ってこんなにも人と人を結びつけるんだと思いました。

糠窯で炊いたご飯も出き上がりました。
「いただきます」と小さな女の子が大きな声で叫びます。

どの料理も美味しく、もっともっと食いしん坊だったらもっと食べられるのにと悔やまれます。

この美味しい感覚を「クルビ味」美味しくいただきましたというようです。このクルビってくるみ美しいということでしょうか。いい言葉です。

岡部泉

器選び

2019年3月2日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎うつわが料理のコンセプトを表す

今日は東京に戻り、碧の座のうつわの構成をあらためて見直しします。うつわの構成はとても細かい配慮が必要です。懐石料理の背景をつくるバックグラウンドミュージックみたいです。この音楽をつくることで懐石料理の方向性が決まることもあります。

実際、どんな料理を出すのか、まだ決まっていません。それなのに、決めているってどういうこと?って思いますが、空間と同じように決まりをつくるのが私の仕事です。相手がそれを信頼してくれている料理人さんであることも幸せなことです。

もっと時間があればもっとできたのになぁと思うのですが、これもいつものこと。ギリギリにならないと、追い込まれて、初めてこれでいいか、、と思えるのが不思議です。

岡部泉

損した二月

2019年3月1日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎3日損した気がする

二月は短い。3日損した気になります。こんなに大変なときは尚更です。あと3日あったらこの仕事は終わっていただろうし、少しはホッとできたんじゃないかと思います。

もう三月。果てしなく恐ろしい。建築も大変ですが、もう建築には手出しができません。もう変えられないのです。あとは家具と備品とアートワークが私を待っています。そして、いろんなグラフィツクも。4月10日から納品作業が始まります。そのためには今週全てのものを決めないといけません。

苦しいです。もうだれもがこれなんだっけ。。と言い続けます。人間の脳は苦しいと忘れるように仕組まれているのだと思います。そうしないともう次のことができないからです。
昨日の自分の考えにも自信が持てなくなりました。

岡部泉