働きやすい水産加工場

2019年2月14日 | izumi | ソウルオブ東北

◼︎約5年に渡ったプロジェクト

東日本大震災から今年で8年経ちます。

震災当初から災害にあった水産加工場を回ってきました。今日は岩手県の広域沿岸振興局の仕事で5年に渡った水産加工場の働きやすい水産加工場プロジェクトの最終セミナーです。これまでのヒアリングを含めた改善方法をお話しします。

主に3つの改善ポイントが挙げられます。
一つは、労働環境の改善です。水産加工場は水産物を扱うので暖かな環境ではありません。女性にとって冷えはとても辛いものです。せめてや休憩室や廊下を暖かくする改善をしました。費用をかけない改善として、床に断熱材を入れただけですが、コンクリート直の床に比べ数段冷たくなくなりました。水産加工場の女性たちも高年齢化が進んでいますので、低めの椅子を用意しました。休憩時間はお昼の1時間と3時の15分ですが、その時間の居心地がとても大事なのです。津波で流されてしまい、加工場を新しくしたはずなのに工場というものは機能性を重視していて、どこか冷たく寂しい気がします。女性目線で工場をつくる設計士がいたら少しは温かなものになったかもしれません。また、女性には高すぎて使いづらい棚の改良など細かなところに気を配りみなさんと相談しながら改善をしてきました。

2つめは、働く人同士のコミュニケーション改善です。どの会社でも組織でも同様に、お互いのコミュニケーションはとても難しいものです。なんといっても世代間の感性の違いは、ここ東北でも東京でも同じです。若い子はせっかくのお昼は車の中であっても一人で自由に過ごしたい、しかし熟年者はそれを勝手と受け取る。そんなことが働きづらい職場になってしまうのです。狭い休憩所だから居場所を見つけられない。動物にも木陰や水場が必要なようにいろんな場が人間にも必要です。水産加工場のまわりにもしカフェがたくさんあったらもっと息抜きできるのではと思います。しかし、ここは沿岸。そうもいきません。コミュニケーションの問題は、永遠の問題です。少しでも相手のことをわかってあげることが積極的な解決方法で、もっとクールに考えるのであればそれぞれが干渉しないことです。もともと効率重視の水産加工場ですので、逆に新しい職場になるかもしれません。

3つめは、リーダーサポートです。この場合のリーダーとは工場長であったり班長さんです。リーダーとは、生産管理だけでなく、人間関係の緩衝材にもならなくてはなりません。いろんな考えを持つ人たちに配慮するというとても難しい立場です。しかし、そんなことができる人がいるでしょうか。私が知る工場長は、毎日毎日、納品や管理や営業まで、人手不足な中複数の役をこなしています。こんな状況の加工場はとても多いはずです。リーダーは本当に大変です。辛いのです。そんなリーダーをサポートする仕組みがあれば、もっといい環境になると思うのです。リーダーサポートからリーダー育成へとつながり、いいコミュニケーションが生まれ、人材が集まり、加工場は次の手を打てるようになるのだと思います。

今回で、このプロジェクトは終了しましたが、我が社のことも同様に考えるきっかけにもなりました。働きやすく経済性のある会社をつくるためにすべきこと、それは各社それぞれですが、責任とともに尊重であると思いました。これからも沿岸の加工場が繁栄することを祈ります。

岡部泉