海の子

2017年11月8日 | izumi | イエローデータデザイン日記, ソウルオブ東北

◼︎牡蠣船で女の子に出会う

山から海へと向かいます。ここ三陸は震災後から通い続けてきたところです。復興が進んで街も変わりました。街だけでなく浜も変わりました。13メートルの防潮堤ができて、浜と街はくっきりとしたグレーの直線で区切られるようになりました。空にコンクリートの尾根ができました。なんとも美しくない。全く美を感じない風景にしてしまった防潮堤。三陸の海と山と浜が近い風景が失われています。

人はもうすでに高台に住むことをルールにしているので、もし津波があっても大丈夫な自然との境界ができているのです。なんといっても心をつくる風景が失われていることが大きな損失なのです。

反対しても反対しても、もうゼネコンに発注終わってるので止められませんだって。
まちの人は東京のやつらにしてやられたよっていいます。いや東京じゃないんだよ、国なんだよ。。
住む人はだれも喜んでいないという悲しい復興?の傷跡です。
こんなところに巨額のお金を使うのではなくもっと三陸の文化や子供たちの教育に使ってほしかったと思います。

その防潮堤の小さな四角い切り取りの隙間から浜へ出ます。これも変な感じ。前は海が見えて浜が見えて船が見えてたどり着いたものです。今は長いコンクリートをたどって浜にいくのです。なんとも情緒がない。

そんなことをもう今更言っても仕方ないかもしれませんが、防潮堤の工事は今も続いているのです。やれやれなのです。

今日は牡蠣船に乗せてもらいます。青い空、青い海。そしてそこに眠る三陸の黒い宝物。家族で運営する牡蠣養殖です。牡蠣船には何度か乗せてもらいました。あれっ、若い女の子が働いてる。珍しい。船の上で幾つもの牡蠣箱を持ち上げて積み上げています。かなりの肉体労働。

なんとその女の子は神奈川の大学をでてここで働くことにしたそうです。なんでまた?と尋ねるとアルバイトで手伝いにきたら、この海に心がスカッとしたんで、決めたんですといいます。そうか、この風景がこの子の心を動かしたんだな。

この子は海の子だったんだ。

この風景に心が響いてここにいるんだ。やっぱり風景って大事だ。

岡部泉