久しぶりの午前様

2017年3月9日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎だんだんと見えてくる

今日は、というか昨日ですが今やっている案件の細かな詰めをしていきます。金額の詰めも必要ですが、ディテールの詰めが本当に大事です。やり始めると止まらないほどいろんな気になるところや、もっともっといいものへという欲求が高まるのですが、いやいや、予算もあるしと胃がキリキリとしてきました。

建物って本当におおきなオブジェです。心配だらけです。そして旅館は耐久性が大事です。お客様は何をするか想定がつかないのです。昔の旅館って何と丁寧に使われていたのでしょうか。

風呂敷で旅行していた時代は当の昔ではありますが、何といってもカバンもキャリーバックも丈夫になりすぎです。ここも耐久性を求めるんでしょうが、キャリーバックのキャスターが最大の敵なのです。畳寄せはどんなに硬い木を使ってもガリガリになるし、コーナーの柱もいつのまにか丸くなるほど。

どうやったらこんなに傷がつくのだろうと思うところにも傷がつきます。この間行った旅館で、「先生、次は全部ダイノックとメラミンでつくってくださいよ。メンテナンスフリーにしてくださいよ。これって全然傷かつかないからいいですよね。木だかなんだか区別つかないです。」と若い支配人が言います。「まじ、、、、さみしい、、」。。。「なんだか空気感がちがうんじゃない、、」とぼそっ。

日本の優しく柔らかな素材は今や迷惑な素材となりつつあります。そんなことを考えてると全部がタイルとジョリパっトとメラミンとワーロンになるのです。いつか見切り材のメラミンなんか出来てくるに違いありません。

でも、確かに友人から送られてきた某有名建築家の旅館の白木の縦格子で囲まれた旅館は、当時の清潔感のある美しさはすでになく、根雪によってかわいそうなくらいその端正さを失っていました。

そんなものを見つつ、A君と30年後でも美しい建物とはと語りつつ、午前様となりました。

岡部泉