ソロモン流

2010年12月5日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■服部先生、自然体で

今夜のソロモン流は服部先生です。この間のCIAのワールドオブフレーバーでは大変お世話になりました。また、その様子もテレビカメラがとらえていたので、とても楽しみにしていました。先生の自然体なところがよく伺えてとても楽しく拝見できました。

また、ワールドオブフレーバーのシーンも本当に「ああ、あの時の、、」と思い出されてとても嬉しくなりました。沢山の料理人さんたちが一生懸命つくっている姿が思い出されます。大御所の方々も下準備をしていて、本当に大変でした。そんな様子もよくとらえられていました。

先生が食育のお話を随分されていましたが、本当にその通りで、私たちの時代は、食卓でほとんどの教育はおこなれていたように思います。食を通じてのコミュニケーションこそが家族の絆であったように思います。母が専業主婦であったことも恵まれていたかもしれません。今は本当にお母さんも大変な時代です。社会のあり方を考えないと、家族で食卓を囲むことはできないように思います。どんどん日本はこころの貧しい国になってしまいそうで不安になります。

せめて、会社でもみんなで食事をとってほしいと思うのですが、、どうなんでしょうか。今の子たちは案外、個食を好んでいるようにも見えます。気の合わない人でも毎日同じご飯を食べているとそのうちなんだか心が通じるようになるってこと、あるような気がします。

打合せだって、食事をしながらすると親しみが湧いて良いものです。食って本当に不思議なものです。人と人の間の壁を容易に超えることができるのですから。

岡部泉

シェフズレポート

2010年12月2日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■CIAのワールドオブフレーバーのまとめ

先日おこなったナパバレーのワールドオブフレーバーのまとめとして、シェフズレポートをつくることになり、各シェフのレポートをまとめています。それぞれに思い思い、いろいろなことを書いてきてくれました。総じて年齢や各カテゴリーを超えた日本人の結束力についての賛美と感謝の声があります。30代から60代までのシェフたち、懐石からラーメンまで本当に様々なカテゴリーの方々でした。若い方たちからは、一流とはこういうものなのだ、プロとはこういうものなのだと言う事を教えてもらったという話がありました。

アシスタントも外人、なおかつ日本料理も知らない、使う素材もアメリカのもの、慣れない厨房、足りない機材、時間もない、そんな中、文句など一言も言わず、黙々と600人分の仕込をする大御所のシェフ、その姿に皆感動です。これぞ一流。

どんな世界でも、一流とは感動を与える人のことを言うのです。人格とともに料理はあるのですね。そういう事を今回はあらためて教えてもらいました。

岡部泉

日本へ帰国

2010年11月11日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■ようやくお役目が終わり、これで一息

ナパバレーでの「ワールドオブフレーバー」は無事大盛況のうち終了しました。日本へ帰ってきて久しぶりに深い眠りにつきました。向うでは、次の日のことを考えるとなかなか眠りにつけませんでした。あとで聞いたら、そういう方がほとんどでした。皆さん、眠れないほど真剣に臨まれていたのです。

今の心境はといえば本当にほっとしたの一言です。これで3年にも渡るプロジェクトが終わったと思うと本当に安堵の気持ちです。これでようやく次の仕事に向かえるというものです。

もうこんなに大きな日本料理のイベントはないかもしれません。それぞれのシェフたちには大きな手応えがあったようです。個人個人のプレゼンテーションはいずれもすばらしく、アメリカの方々にもより理解をしていただいたと思います。それぞれまた大きな経験をして、次のステップに進まれていくことでしょう。何事も経験が大きな自信と次の成功を生むことでしょう。

しかし、我々の国はどうでしょう。このような大きなイベントをする力もありません。今回のイベントは全てボランティアで運営されています。我々もボランティアなのです。しかし、これだけの仕事を日本においてボランティアで行ってくれる方がどれだけいるのでしょうか。私は日本での食文化への危機感を押さえることができません。

これからの日本の食文化はどうなっていくのかと思うと絶えず不安は尽きません。子供や若者の味覚は変わり、食べ物や食品も以前の日本の味覚ではなくなりました。今回私が行ったセミナーは「日本のフードスタイル」でした。その背景となる日本の精神性と美意識についても述べました。しかしこの話を日本の方にしてもどれだけの理解があるのかと不安になりました。思わずアメリカの方から「二十四節気について教えてください」と質疑がありました。これは深い質問です。また「陰暦から説明お願いします」と言われました。これがアメリカです。日本のマニアの方がいらっしゃるのです。簡単なお答えをしましたが、セミナーが終わった後、日本人の女の子が私も知らなかったことだと話してくれました。もう日本の文化は、日本ではあたりまえではないのです。

いつから日本は日本であることを忘れてしまったのでしょうか。

考えれば考えるほど、日本への不安は尽きない日々でした。

岡部泉

さよならサンフランシスコ

2010年11月10日 | izumi | C.I.Aレポート

■日本へ帰れる

こうして慣れない英語圏をあとに日本へと向かいます。さよならサンフランシスコ。ナパバレー。CIA,ワールドオブフレーバー!

日本へ帰れると思うと、長い飛行機の時間も苦にならない。日付は明日に変わる。でも映画三昧で問題無し。

成田には助手の高梨君が迎えてきてくれていて、事務所へ向かう。事務所の仕事はどうだったのか気になる。どうやらなんとか終わっているらしい。良かった。

夜、近くの和食やさんにて無事な帰国を祝う。

でもこれからなんだな。「日本料理のこころ」を次世代に伝えていくためには。ワールドオブフレーバーをきっかけにして今、次なる仕事が始まったんだとあらためて思うのでした。

でも今日はゆっくり眠る事にしよう。

岡部泉

サンフランシスコへ

2010年11月8日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■いろいろ寄り道しながら

ナパバレーを後にして、今日はサンフランシスコに向かいます。その途中で、牡蠣の牧場みたいな湖に立ち寄りました。フォグオイスターというところです。牡蠣の講義を聞いていろんな牡蠣を頂きました。なんだった良く覚えてないけど、パシフィックとかくまもととか数種類の牡蠣を生と焼きで食べました。案外こくがあっておいしいかったです。

こんなところでのんびり働くのもいいかななんて湖を見て思うのでした。あっ、でも昨日のワイナリーでも車が通った後の砂埃が病気の原因になるので一枚一枚メキシコの人が拭くらしいのです。その葉っぱを仕事もいいなと思ったのでした。とにかくのんびりした仕事がしたいって心が叫んでいるのかなぁ、、

私は牡蠣にあたったりしたら困るからほんの少しにしましたが、かなり皆さんがっつり食べてましたね。料理人さんとはやはり食いしん坊さんなのですね。

次はオリーブ園へ向かいます。ここのオリーブ園の由来を聞いたのですが。孫三人が自由に遊べるところを飛行機から見ていたそうです。そして、この土地がいいかなって思ってマークをつけてそのまま買ったということです。買ってみたら何かを生育しなくてはいけない農業用の土地だったのでイタリアからオリーブのディレクターを呼んでオリーブ園をつくったそうです。そしたら案外うまくいきました。というお話です。これまたスケールが大きい。なおかつ未開拓の土地だったのでやはりオーガニックなのです。やれやれ、アメリカとはいかに不景気といえども関係なく経済的にでかいです。

オリーブ園を見学しながらオリーブ園の中にあるレストランでランチです。これまたおいしいワインが用意されています。本当にどれだけアメリカ人はワインが好きなのかと思うほど今回はワイン漬けです。

ここで京都チームとはお別れです。我々は一路サンフランシスコへと向かいます。今回の最後の夜となりました。

最後の夕食は、なんと中華です。まさにこの中華料理店はアタリです。安い、うまい、多いの三拍子が揃っています。ふかふれのスープを口に含んだ時に実感。生き返ったなぁ、私はやはり日本人だ。醤油がいい。新鮮な魚魚介が揃ってます。まず海老、そして蟹、魚、どれもおいしい。どの人も満足しました。熊谷ムッシュは今回の旅行で一番おしかったねと。同感です。

こうして皆大満足で、サンフランシスコの夜は更けていくのでした。

岡部泉

凄いワイナリー

2010年11月7日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■成功者とは

今日は、ご褒美としてナパのワイナリーを訪ねる日です。しかし、私は渡航前の徹夜がひびいているのか、寝不足がたたっているのか朝からめまいで歩くのも容易ではありません。だいたい極度の貧血なので旅行は無理ですよとお医者さんに言われていたくらいだからこれも仕方がありません。ここまでがんばれたから良しとしましょう。ということで、残念ながらワイナリーの見学をあきらめて部屋で横になっていました。

少し眠りにつけたのか午後三時ごろから気分もよくなり、夕方から皆と合流して今晩のパーティを開いてくださるケンゾーエステイトへ向かいます。三年前にもお伺いしたところです。その広さと夕日を受けて輝くばかりのワイン畑に感動したことを今でもよく覚えています。

以前来た時よりも、設備が整っていて、ゲストハウスもできていました。それもとても豪華なセンスの良いゲストハウスです。この凄いワイナリーは世界一を目指しているそうです。本当の成功者とはこういう方を指すのだと思います。お料理のメインは炭焼きの松茸とお肉です。日ごろあまり食べない私ですが、この松茸はかなりいけていました。アメリカ松茸も良いです。大きいからどうなのかなと思っていたのですが、香りもしっかりしていておいしいのです。お肉もいいですね。とてもおいしいです。脂身が少ないということが嬉しいのです。

ここのオーナーである辻本さんに日本食の将来についてお訊ねしてみました。そしたら明確な答えがかえってきました。メイドインアメリカ、プロデュースバイジャパンだよと。この広大な土地のワイン畑は全てオーガニックのぶどうです。農薬に犯されていない土地がアメリカにまだまだあるのです。日本で無農薬農業をしようとしても土地の改良に大変な労力が必要です。おそらくアメリカの農業に対する税金と日本の税金のルールも違うはずです。一流の経営者が人件費や経費を考えれば、アメリカの生産効率が有利であると判断するのも当然な気がしてきました。本当に日本の農業やものづくりのルールを考え直しもらわないともう後がないと思いました。

そんな意見もお伺いできて有意義なパーティでした。

みんなと揃っての夜もこれで最後です。今回のイベントに対するインタビューをそれぞれにさせてもらいました。一応に大変だったけどとてもいい経験になった、アメリカの方の反応が聞けて良かったとかとてもこのイベントを自分のために活用してくれているようでした。

親分である村田氏は本当にさすがで、「日本の食について政府がもっとがんばらんとあかん」と苦言を呈してくれました。親分に拍手です。日本政府がんばってくれぃ!

岡部泉

ワールドオブフレーバー3日目

2010年11月6日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■今日はジャネラルセッション

CIAには、連日沢山の人であふれています。シェフたちも厨房とセミナールームとの間を食材やら調理道具を持って走り回ります。ひとつ忘れ物をすると広いので大変です。今回は三年前と違ってそれぞれのアシスタントを連れて来れませんでした。人数制限があったからです。アシスタントは学校の生徒さんがするのです。言葉が通じないのでそれはそれは大変です。通訳の人もひとつのところにとどまってくれません。それでも皆さんがんばったようです。本当に頭が下がります。えらい!

どんなに偉いシェフを今回ばかりは一所懸命に仕込やセミナーやマーケットプレイスに奔走します。ミクニさんも熊谷さんも徳岡さんも今田さんも、頑張る頑張る。本当にお疲れさまです。何のお手伝いも出来なくて申し訳なく思います。

今日は、11時30分から、ジェネラルセッションのモデレーターの日です。もっとも大きな講義室で300人ほどの大勢の方にセミナーを行います。竹林の下口さんと虎屋の黒川さんとホワイトハウスのパティエ、ビルさんとです。まずは私のプレゼンテーションからです。昨日に引き続き同じ様なテーマで「日本のフードスタイル」です。一番前の席には、昨日聞きに来てくれた先生が座っています。昨日見た顔ぶれもちらほら。。

このジェネラルセッションは同時通訳で行うと言う事を昨日聞いて、慌てて原稿を足しました。モデレーターは時間の調整役もしなくてはならないので、自分が時間を無駄に使うことは出来ません。余る事も許されないのです。昨晩は原稿の書き直しで一晩費やしました。どうせ眠れないから丁度良かったのですが、パソコンがないと言う事はとても不便なことだと痛感。そんなできたてほやほやの原稿だったので同時通訳の方には大変な思いをさせたと思います。なおかつ、前の前のセッションが大幅な時間超過だったので、その分なんとか上手に納めないといけなくなりました。私の前のセッションは菊の井の村田さんだったのですが、楽屋裏で「なんか大変やね」とはらはらしてました。こんな大きなイベントですもの。いろいろあるよね、、

そんなで村田さんも時間に追われつつ、プレゼンテーションが終わりました。それをぼんやり眺めていたら、あれっ私の名前が呼ばれて紹介されているじゃありませんか。ぼけっとしてたら即、始まってました。スライドのスクリーンを慌てて下げてもらっり、コントローラーを急に渡されたり、マイクもなんか調子悪くて通訳さんに繋がってなかったり。でも時間がないからどんどん進めました。同時通訳さんも大変だったと後からおっしゃってました。すみません。

でもなんとなくつつがなくプレゼンは出来た様な気がします。今回は見立てという日本の美意識がある事を覚えてもらいたいと思いました。この見立てをいう考え方は、国籍が様々でも用いることができる楽しい手法だからです。それと私は日本が大好きであることを強調したら、あとからアメリカにプレツシャー与えてたってからかわれましたが。その後は、笹寿司をつくってくれるプレゼンテーターの下口さんを紹介し、ほっと一安心。下口さんはとても楽しい方で、その人柄と同じく楽しいプレゼンテーションをしてくれました。笹寿司というものは、機能性を美しさが合体したものです。殺菌作用を持つ笹で鮨をまく。今日は水引で巻いてもらいます。それはこの舞台はおめでたいハレの席だからです。そんな説明もしていただき、なおかつ時間もまずまず守ってくれて良かったです。2分間だけのプレゼンテーションですが、2分と言っても同時通訳だと案外あるものです。次は虎屋の黒川さん。今回は「柿」を見立てた練りきりのお菓子です。今回は、日本のお菓子はお茶の味と相対して甘みが決まるというお話をしてもらうことになっています。柿の筋を入れたりへたをつけたりしながらの説明なので大変です。和菓子の美しさがわかっていただけたと思います。次はビルさん。なんと裃(かみしも)をつけての登場です。だから侍パティシエと紹介しました。日本人以上に日本の心を持ったやさしい方です。八寸のように仕立てたグリーンティ餅をつくってくれました。こんな日本のことを理解してくれる海外の方が増えてくれることに感謝してセッションを終了しました。

ひとつのセッションが終わるとなんだか疲れます。なんかへんなこと言ったかなとかあれっあれ間違ってたかなとか、、なんとも英語ってことが慣れてないから困るのです、、とかなんとか思いながら、会場から帰ろうとしたら、あのスライドをダウンロードできますかと聞かれました。どうやら日系の方のようでした。日本のことがわからないので、もう一度見て知りたいとおっしゃってます。ダウンロードができないので、気の毒に思いましたが仕方がありません。そう考えるともっと資料を公開してもいいのかもしれません。日本人の方にも、日本のことがわからないので教えてください、自分が中途半端な日本を紹介しているのではないかと思うなどと相談されました。

ああ、日本は遠くなりにけり、、を実感しました。

そうなると私はデザインだけでなく日本文化の普及もしなくてはいけないような気になるのでした。

天気に恵まれ、外はとても気もちが良いです。お昼は外のアウトドアステージをまわりながら食べます。なんとラーメンに長蛇の列。アメリカでもラーメンは人気がでてきているのです。話によるとあの一風堂さんはサンフランシスコだかどこかで三軒もあって、どれもとても儲かっているそうです。ラーメン戦争はアメリカでも起きるかもしれません。すしの次はラーメンかな。

総じて日本のものは人気があるのがわかります。蕎麦も串揚げも焼鳥もお好み焼きもすき焼きもしゃぶしゃぶも皆さんどんどん食べています。日本人はとても味覚が繊細であることが誇らしく思います。

すき焼きもしゃぶしゃぶもアメリカの牛肉が案外合うものだと発見です。日本のようなさしが入っていなくても案外ヘルシーでいいかもしれません。大阪の押し寿司もアメリカのお米でオーケーな気がしました。冷めて固くなっても押し寿司はおいしいからです。でも後で聞いたら相当お米の研ぎ方炊き方など毎日工夫したと聞きました。そうです、毎日どんどん美味しくなっているなと思っていました。そんな努力あったなんて、さすが鮨萬さん。

午後は、皆さんのセミナーに顔を出して見学。今日で最後なので、良く見ておかなくてはと思うのですが、セッションがぎゅうぎゅうに重なりすぎて本当に残念です。

徳岡さんのお米のリゾットのワークショップと堀井さんの蕎麦のワークショップを見ます。五穀のリゾットはダイエット指向が求められているアメリカには丁度良いのではないかと思います。徳岡さんは、セミナーの最後には必ず料理の影には第一次産業の方々がいるということをおっしゃいます。その方々の努力を忘れないでほしいというメッセージです。それが第一次産業の活性化に繋がる様にという願いでもあります。とても大切なことです。「日本料理のこころ」にも書きましたが、日本人の魂はお米に宿っているのです。我々は第一次産業の実態をもっと把握しなければなりません。食事自給率には様々な意見がありますが、何によらず作り手を増やさなければならないことは必須です。蕎麦にしてもほとんどを中国からの輸入に頼る状態です。

これからの私の課題は、農業漁業の実態を知るための勉強です。

そんなことを考えていたら、もう最後のジェネラルセッションとなりました。最後は料理の鉄人です。以前日本で一世風靡したテレビ番組がアメリカで大ヒットです。小山薫堂さんと坂井シェフも開催の挨拶の際に登場してくれました。ハリウッドかどこかで新しいプロデュースの映画か何かがあるように以前伺いました。服部先生の司会のもと料理の鉄人が始まりました。本日の課題はアメリカの松茸とかぼちゃです。最初のシェフは森本さんです。アメリカで絶大なる人気を誇っています。日本人もこうして海外で人気を博するようになるんだというお手本のような人です。氷を使って冷薫製をします。こんなやり方もあるのだな、、素材を温めずして香りだけをまとわせるという手法です。手際よくどんどんできていきます。

次は、デビットチャンさん。そして京都の米村さん。フレンチと和食を融合するという独自の料理センスで想像もつかないような料理を見せてくれます。そして、徳岡さん。吉兆というよりは自身の料理に挑戦されたようでした。それぞれの個性を生かした最後のセッションでした。

このセッションが終わると同時にシェフたち全員がステージにあがり、拍手喝采です。エンディングにふさわしい光景に力石先生も感動のおももちです。先の3年前のイベントを含めると4年の準備期間がありました。それはそれは大変な苦労であったと思います。私のお手伝いできたことは少しではありますが、その4年間を先生とともに過ごしてきました。そのご苦労は傍目でもわかるほどです。その間、沢山のストレスもあったと思います。しかしグレッグが力石先生をステージに招いて感謝の言葉を述べたその瞬間に先生のご苦労もきれいに消えていったことでしょう。

本当におつかれさまでした。そしてシェフの皆様もおつかれさまでした。

その後は、高木ベーカリーの高木さんのご招待を受けてすてきなパーティをしていただきました。洒落たパーティとはこんな風に行うものだと思うのです。また、ここでも〆の三三七拍子をしてワールドオブフレーバーの最後の夜にお別れです。

岡部泉

ワールドオブフレーバー2日目

2010年11月5日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■日本のフードスタイル

今日は、2時30分から私のセミナーがあります。毎日よく眠れないので困ります。もともと東京でも睡眠時間が短いので大丈夫なのですが、眠れなくてやる事がないのが残念です。東京であれば仕事をすれば良いのですが、なんだか横になっているだけなので退屈です。東京は昼なので、少しメールなどして事務所の様子を聞きます。本当に仕事病です。

ほとんどのセミナーがソールドアウトしてしまうほどの人気振りですが、私のはどうかなと思いつつ掲示板を見たら、ソールドアウトのカードが貼られていて一安心。体調不全ではありますが、スライドをつかって説明を致しました。少し難しい内容だったので心配しましたが、このクラスには日本に来た事のある人がなんと三分の一ほどいらっしゃいました。日本通なのです。どんな方たちなのか聞いてみたら、学校先生であったりレストランのオーナーであったりコンサルティングであったり様々でした。始まるとすぐ、質問がどんどんあがります。通訳の方もしばし、とまどうほど難しい質問があったり。日本通なのですね。

最後まで質問が沢山あり、時間を超過して終了。どのように日本文化を理解されたかわかりませんが、何かは伝わったと思います。

しかし、セミナーの中でとても怖い質問がありました。「今の日本の若者は、このような日本の文化を知っているのですか。このような食生活をしているのですか?」と聞かれました。言葉を失いたくなりました。日本の食文化は崩壊しかけているからです。正直に、残念ながら日本の文化は若者まで伝わっているとは言えませんと答えました。アメリカと同じようにハンバーガーを食べ、コーラを飲み、電車の中でもコンビニの前でもものを食べていて、礼などという言葉とは縁遠いことが多々あるのです。一日お米を口にしないこともあるのです。本当につらい質問でした。

最後に「家族や仲間同士で食事を共にするということはとても大切なことで、食が体だけでなく精神もつくるので、同じものを食べると同じような考えを持ち、相手をより理解できるようになる、日本では同じ釜の飯を食って心が一つになると考えます。食事は楽しく食べてこそ栄養になると永平寺の典座老師も言っていました。どうぞ皆さんも家族や仲間と食事をしてください。」と話しました。その事をそのまま学校の生徒に伝えますと学校の先生が帰りがけに言ってくれました。家族が分裂していくのは日本もアメリカも一緒なのでしょうか。

岡部泉

ワールドオブフレーバー初日

2010年11月4日 | izumi | C.I.Aレポート, イエローデータデザイン日記

■いよいよ始まる

今日は、夕方から最初のジェネラルセッションが行われます。それまでは私は、通訳の方や一緒にセッションを行うシェフたちとの打合せをします。

今回は、「日本のフードスタイル」がテーマです。日本の精神性や美意識という背景を含めて日本料理を語らないとわかってもらえないと思っています。あえてアメリカの方だからと言って簡単にやさしくするつもりはありません。そのまま伝えようと思っています。ということを通訳の方にも伝えます。

一緒にセッションをするのは、京都宇治の竹林の下口さんと東京赤坂の和菓子の虎屋の黒川さんとアメリカのホワイトハウスのパティシエのビルさんです。私のシナリオに合わせてそれぞれの方の意見と方向性を相談しました。こういう打合せはとても楽しいものです。

ひと通り打合せが終わり、いよいよ最初の開幕のジェネラルセッションが始まります。

辻調理師学校の辻先生がモデレーターを務めます。プレゼンターは、久兵衛の今田さん、瓢亭の高橋さん、嵐山吉兆の徳岡さんです。今田さんは江戸前の握り鮨、高橋さんは、椀もの、徳岡さんは八寸です。それぞれの特長がいかされていたと思います。

そして辻先生が、日本料理の成り立ちをすばらしい映像とともに時にはユーモアを入れながら説明してくれました。はぎれの良い英語は、観客を魅了しました。日本料理とはこういう歴史の上に成り立っているのだと言う事がわかっていただけたと思います。

その後は、マーケットプレイスでシェフたちが腕をふるった料理をいただきました。やっぱり日本料理はおいしい!そしてほっとする。出汁は良い。ご飯は良い。鮨はうまい。蕎麦は癒す。日本料理です。私をつくっているのは。本当にそう思うのでした。日本料理万歳!

岡部泉

ワールドオブフレーバー前夜祭

2010年11月4日 | izumi | C.I.Aレポート

■こんにちはサンフランシスコ

約8時間あまりのフライトで、サンフランシスコに着きました。お隣が偶然服部先生だったので、これまでのいろいろなイベントの経験談を伺いました。国のお仕事も沢山されていらっしゃるのですが、どうも日本は日本の食文化への意欲が足りないのではないかとお互い意見を交換したりしました。

ようやく空港に着いて、CIA(カリナリーインスティチュートオブアメリカの略)の車が迎えにきてくれて、いざナパバレーへ。今日はジャイアンツの優勝パレードということで、メインストリートを避けてナパバレーへ向かいました。カリフォルニアらしい美しい晴天です。ゴールデンブリッジを通り、可愛らしい家の立ち並ぶ通りを抜けていきます。こんなおとぎ話にでてくる白とパステルカラーの家並みに女の子たちは憧れるのでしょう。よくあるハウスメーカーの貼りぼてのアメリカデザインの家よりさすがに本物感があります。車にのる事1時間ほどで、急にぶどう畑の田園風景に変わります。豊かにうねりをみせる広大な大地はぶどうの畑で覆われています。もうすでに収穫が終わった畑が大半を占めます。葉は黄色とオレンジに色づき、秋の実りを感じさせます。ゆったりと広々とした光景は北海道にも似ています。ナパバレーの時計の針は、ことさらゆっくりしているように感じます。

ホテルに到着。しばらくして、すでにシェフたちが仕込をしているCIA(カリナリーインスティチュートオブアメリカの略)に向かいました。今日は、前夜祭なのです。

玄関には、日本とアメリカの国旗が飾られています。いよいよ始まるのだなという思いが高まります。学校を一巡してみると、三年前よりも設備が充実していました。チョコレートルームができていたり、売店も充実していました。この学校は全て寄付金で運営されているので、パティシエの授業のためにどなたかが尽力してくれたのでしょう。

夕方になり、レストランの前庭でワインが配られ始めました。久しぶりに京都チームと合流できました。また、アメリカで会うとなんとなく日本で会うよりフランクになるものです。わいわいとおしゃべりをひとしきり。ウエルカムパーティが始まりました。私は瓢亭の高橋さんと熊彦の栗栖さんらと席を囲みます。グレッグの開催宣言から、今回のイベントに協力してくれたオリーブオイルのオーナーさんやパンやさんなどが紹介されます。また日本事務局の力石先生もご紹介されました。なんと「日本料理のこころ」をつくったということで私も紹介していただきました。

あとは、生徒さんがつくってくれた料理をいただきます。もうすでにシェフたちは仕込で多分くたびれているのと時差ぼけで、妙に眠かったり、テンションが高くなったりでした。でも、京都、大阪、東京、沖縄、秋田、金沢、様々な土地から集まったシェフたちのチームワークがすでになんとなくできつつある、そんな感じの夜でした。

岡部泉