九州からのお客様

2019年8月1日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎暑くてすみません

今日は、碧の座に九州からお客様です。東京へ戻る前に少しご挨拶をさせていただきます。

残念ながら北海道も九州同様、暑いのです。涼しい北海道でスッキリしていただきたかったのですが、本当に申し訳ない。暑いんです。

館内をご案内します。ここが北東北の縄文遺跡群の北限であったこと、縄文からアイヌそして現代への歴史と文化をこの館の思いにしたことなど。途中でいろいろチャチャ入れられつつ、、

旅館の役割は単なる宿泊場所ではなく、郷土を伝える場であってほしいと思うのはいつもどの旅館でも同じです。いつかそのミッションが観光や集客の軸にもなるのだと思っています。

岡部泉

二風谷

2019年7月14日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎ゴールデンカムイがいっぱい

碧の座の細かな残工事が終わり、ようやく気持ちが落ち着きました。最後の味付けに入ります。碧の座は、北海道の縄文からアイヌ、そして現代までの祈りの文様や文化を空間に取り入れています。「つなぐ」がテーマなのです。

ということで、縄文文化からアイヌ文化の手の仕事を展示していくことにしました。特に文様は、自然と暮らすには身を守るために呪術的な意味をもつものです。縄文文様もアイヌ文様もその形に意味があります。

館内のテーマをつなぐ展示品に着手するために二風谷に向かいました。
北海道には幾つかのアイヌコタンあります。白老、二風谷はアイヌ文化の聖地のようなところです。木工の作家さんや、刺繍の作家さんがひとつひとつのチセ(家)で実演をしてくれています。

トンコリをつくる方もいます。トンコリはとても好きな楽器です。実際に弾かせてもらいました。縦に抱きかかえるようにトンコリをもちます。好きなように弦を弾いてよいそうです。ギターと違って弦を押さえることはありません。この適当というのがとてもいいのです。その方が言うには、この音色がカムイに近づけてくれるそうです。心臓にトンコリが当たるので、その振動がカムイとつなぐ効果があるとおもいました。

トンコリが欲しくなりました。そんなことを話していたら、今、野口さんのをつくっているんだよと木工作家さんはいいます。へぇ、、野口さんとは「ゴールデンカムイ」の作家さんです。二風谷には「ゴールデンカムイ」のポスターがたくさん貼ってありました。リサーチによく来られるそうです。あれほどアイヌのことが書かれている漫画もないのではと思います。アイヌの道具や言葉の説明などがきちんとされているので、なるほどなるほど、、とうなづき、アイヌの衣装も丁寧に書かれていて、アイヌコタンの地区もよくでてくるので、とても身近に感じるのです。

ゴールデンカムイを読んで二風谷に来る人も増えたそうです。漫画こそが観光と地域活性化に役にたつ最な近道かもしれません。

岡部泉

碧の座・続

2019年7月13日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎北海道は残念なくらい雨

碧の座のオブジェなどの残工事のために支笏湖 碧の座に来ました。これでだいたいの取り付けが終わります。沖縄と違って肌寒く冷たい雨が降っています。

碧の座は好調で、一安心しました。滞在のお客様も多く、ゆったりと楽しんでいただいているようです。世の中の豊かさと格差を感じたりします。

それでもとてもありがたく、これでこの連休中に1日でも晴れてくれるとお客様に支笏湖の美しい景色をみていただけるのにと思います。

岡部泉

快適と贅沢

2019年5月13日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎晴れ晴れとした気分

いい部屋ってやっぱりいいな、と思います。

こんな部屋が家だったらなと思います。

快適は気持ちを晴れ晴れとさせます。
ジャクソンのジャグジーがあって、大きな大きな露天風呂があって、その泉質はすべすべです。ベットは大きくこんな小さな私ですがその広さの贅沢を感じます。そして、グラスルーチェの60インチのモニター。ウーハー付きのサウンドバーで好きな音楽をかけます。

窓からは、樽前山が見えます。支笏湖ブルーも青い空と水平線をわけながら堂々と広がります。
もうこの快適さゆえに、この贅沢感ゆえに、部屋から出れません。

打ち合わせは今日はもういいんじゃないかな。。とひっそり思います。

と思っていたら、音楽が途切れて打ち合わせ催促の電話が、、、
残念。

岡部泉

ついに終わる

2019年5月12日 | izumi | 碧の座物語

◼︎心地よい北の春に今日、目出度く

今日は碧の座のレセプションパーティです。千歳の神主さんに来ていただき祝詞をあげていただきます。こうしてつるがさんの仕事を引き受けて、毎年毎年新たしい施設を立ち上げてきました。

今回はその中でもとても厳しく難しい工事でした。しかし、厳しく難しい工事ゆえに楽しみもたくさんありました。強い結束力はその最もな要因です。この結束力がなければ、きっと不満ばかりの苦痛な工事だったと思います。
地震にも見舞われて、短い工期がさらに困難と向き合うことになった工事でした。今も改善点があります。このようなチームワークがなければ続けられません。とてもいいチームに恵まれました。苦しいけど笑いの耐えない現場でした。ゼネコンのH所長、本当にお疲れ様。明るい性格が現場の癒しでした。たくさんの方々の努力でここまでこれました。本当に感謝致します。

たくさんの方々がきてくださったパーティでした。こうして自分の作った部屋に通されて露天風呂のあるデッキで遅く咲いた桜をながめつつパソコンを開いています。とても夕刻が美しい日です。遠くにみえる風不死岳に雪が一筋二筋。とてもいい日です。

ひとつの案件が終わり、また新しい案件が始まります。たくさんの人たちがこの館にきて、何か充実した時をすごせますようにと思います。

岡部泉

無冠

2019年4月28日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

■何も認められるものをもっていない

こうして、碧の座という案件を立ち上げて、5月1日にグランドオープンします。令和元日です。北海道の新聞に全段の落成広告がでます。ゼネコンさん中心にした落成のお知らせです。ラフがあがってきました。落成広告をつくっている会社の方に言われます。あれだけやってもいつでも岡部さんの名前は上にいかないんですねと。なんだか気の毒ですねと。

私は一級建築士でもなければ、これといった建築系の資格はありません。建築以外にも何もありません。賞をもらったこともありません。なしなしです。無冠というのが清々しく感じるくらいです。

しかし、世の中はそうもいかず、無名な人間では認めようがないのです。日本では特に資格偏重が強いと思います。どんなに現場の中心にいて皆を先導していても、何も資格がないと軽く扱われがちです。

竣工式と落成広告の時とレセプションパーティの時が一番嫌です。大勢の人が集まると必ず序列ができるからです。どうでもいい人たちが集まってきて、資格という色眼鏡で、どうでもよく人をランク付けする時です。

ゼロから生み出すことの価値は認められないのだろうか、当たり前のルールを守るだけよりも、これまでにないものを生み出すことの方がどれだけ面白く責任が重いのかと思います。
建築業界はいつまでも古い世界です。

もし私がこの碧の座で、賞をもらえるとしたら、「いっぱい考えたで賞」なのではないかと思います。そして、私が最も賞をあげたい人は、一緒に現場をやってくれたY君に、「一番頑張ったで賞」をあげたいです。
そして、現場の所長並びにみんなに、「現場敢闘賞」をあげたいです。名も無き我々こそ、底辺を支えてきた称えるべき存在であることを、ここに記したいと思います。

岡部泉

阿寒へ

2019年4月24日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎木彫の国

阿寒へ行きます。昨年、悲しいことがありました。とても親しくしてもらっていた藤戸先生がなくなりました。阿寒の木彫家でリアルな彫刻を得意としたアイヌの方でした。藤戸先生の彫る熊や狼の毛並みは、本当にリアルで一本一本の毛の質感を感じることができます。リアルに徹した木彫家です。お家に呼んでいただき、いろいろな話を伺い、また木彫をする姿もよく拝見させていただきました。

奥様はお元気でいるでしょうか。。いつも気になっていました。本当に仲の良いご夫婦でしたので、気落ちしていないか心配でした。せっかく阿寒にきたので、お寄りしてみます。「あらぁ、、」とお迎えしていただきました。藤戸先生の御霊前にもお線香をあげさせていただきました。その遺影の写真の瞳はどこから見てもこちらをみているようです。「おい、ちゃんとがんばってるか」と言われているようでした。

奥様は、エゾシカの皮で財布やポシェットをつくりはじめていました。息子さんも繊細な木彫をしています。この間レクサスの展示会に出品したそうです。確実にみなさん歩き始めています。本当によかった。

阿寒に来た目的は、木彫の調達です。この方も数年前になくなられましたが、エカシ(村長)だったトコさんの彫刻をいただくことにしました。息子さんは、阿寒のリーダー的存在です。2メートルほどあるトコさんの彫刻は、抽象ですが自然の息吹を想像させるものです。原初的な形が碧の座のコンセプトにも合います。トコさんにもいろんなことを教わりました。この彫刻が碧の座に来るのも何かの縁なのかもしれません。

作品名は、「ヤイレスポ我自らを育てる」
我、自らを育てる、我、自らを生み、自らに命を与える、我、神なり、我、人間なり、我、自然なり、風となり 光となり 黄金の玉となり 森羅万象の命となる

このような詩がついています。
哲学者だったトコさんのことを思い出します。

阿寒には、静かな想いがひたひたと漂っています。
これで東京に戻ります。

岡部泉

代表チェック

2019年4月22日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎もう何も変えられないんだけどな、、

今日は碧の座の二回目で最後の代表チェックです。社長たちも工事関係者も勢ぞろいして緊張しています。もうこれ以上変えることはできないんだけどな。
説明はわたしの役です。というか、何か起こった時の防波堤の役です。

まだ完成していない時に見に来てくれました。最近の工事は、ほとんど任させてもらっていて、思うようにやっています。(しかし、本当は流行る旅館のため)
今日は家具も入りほとんど完成に近い形を見てもらいます。

細かい注文をつけられます。褒めてくれるところはないのかな、、とおもいながら後を追います。
「いいところはないんですか」と突っ込むと、ギョロとした目で、「今わたしが言わないとだれも言えないでしょ」と言われます。

ああ、、こんなに大変だったのに、、とおもいながら、「ハイハイ」と言いながらまた後を追います。「ハイ」は一回でですよね。。

ご注文としては、味付けとして彫刻や装飾の追加です。シャープすぎると人は居心地が悪いらしいです。それもわかります。フンフン、、

そしたら、「明日、阿寒に行って木彫をもらってきてね」と言われました。「えっ、、明日?」
「なんでもすぐです、急いでね」。経営者はいつも急ぎなのです。わたしもそういうところあります。

明日は阿寒入りとなりました。予定が狂いました。

岡部泉

ついに終わりが来た

2019年4月18日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎碧の座、いよいよ手から離れていく

終わらないといけないとおもいつつ現場に通っていましたが、いざこうして終わりに近づくと寂しい気持ちになります。

今日は試泊の日です。現場の皆さんと施設点検をしていきます。といいつつも結局は大飲み会になります。こんなこともあった、あんなこともあった、、そんな話で盛り上がります。こんな現場なかったですと現場の人たちはいいます。どんな現場だったかというと、工期は短い、面接は広い、そしてデザイン満載、土壁満載。だれもがやったことのなかったデザイン案件でした。これなんですか、どうするんですか、、こればかりで始まった案件でした。

しかし、その難しさが力に変わりました。実は指示を出す本人でさえ、次はどうなっていくのかわかりませんでした。工期と見積もりと手の質、それぞれを見極めて一体なにが正しいのか、なにが効果的なのかをいつも考えてき来ました。苦しい苦しい案件でした。

それでも現場にはいつも笑顔と会話に溢れていました。本当に辛い中、楽しくやれてこれました。これもゼネコンさんの配慮であったと思います。

バーラウンジで、中庭の水の波紋を見ながら、碧という名前のウイスキーをみんなで飲みます。疲れ切った体に沁み込んでいきます。
皆が部屋に帰ってしまったあと、一番現場で活躍してくれた若者となんだか寂しいね、これで終わってしまうんだね、終わらないと困るのに終わると思うとなんだか名残惜しいですねといいます。ほんと同感。いつまでも工事が続いていてほしいと思ったりします。それは本当に苦労して頑張った人に訪れるロスなのです。

そうだ、一番苦労したロビーでこんなことはもうできないから大の字になって寝てみよう。久住さんが作ってくれた土壁とともに大きな大樹のような黒い柱が天に突きさすように見えます。碧の座文様の向こうの空が青く光ります。

ついこの間までここに足場があったのです。本当に終わってしまって私たちの手から離れていきます。そしてまた皆バラバラに次の案件に向かっていくのでしょう。

また、心を思い切り使えた案件を経験させてもらいました。皆さん、本当にお疲れさま。そしてありがとうございました。

岡部泉

縄文暖炉

2019年3月23日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎巨大な土偶のボディ

碧の座の暖炉を久住さんに塗ってもらっています。大きなぐるぐるの縄目が印象的な暖炉です。スサが入ることで土器と違って動物の毛並みのようなふわっとした質感があります。
段差のある細い足場の間をくぐり抜けるようにするするとくぐり抜けていきます。その姿とスピードはジャングルの木から木を渡るお猿さんのようです。円柱の暖炉を囲み、たくさんの職人さんが塗ってくれていますが、その全員のコテの使い方を鋭く観察しています。少しでも違っているとするすると近寄り修正をしていきます。

本当の職人です。それも本当にトップの左官です。面白いです。左官という世界の中で組み立てられてきた経験の積み重ねがあります。そして本当に土が好きなのです。土壁のことを話す時は永遠の少年のようです。

ずっと見ていても飽きないほど、この縄文暖炉はみるみる成長をしていきます。

岡部泉