うめひびきの赤壁

2017年10月14日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎ついに始まった、、

うめひびきの赤壁の上塗りが今週始まりました。いよいよ、ここに赤い色が登場。待ちに待った赤壁。
日田はさすがに蔵の街で、いい左官の仕事が残っています。その蔵のディテールとダイナミックな仕事に触発されてこのうめひびき新館の赤壁があります。日田の左官の名人、原田氏の渾身の思いをここに込めてほしいと思っています。

現場からその経過が送られてきます。あぁ、、いいなぁ。。わくわくしてきます。ということで、北海道からすぐ九州に飛びます。この仕事を見ずしてこの現場の意味がありません。朝飛行機をキャンセル待ちして飛び乗りました。わくわく、どぎどき。。

現場のN氏に日田まで迎えに来てもらって現場へ直行。やってるやってる。原田さんもきてくれている。赤壁の松葉びき(原田さんの庭の松葉を束ねて生渇きの赤(ベンガラ)しっくいに松葉で優しく表情をつける技法)が赤の色に優しい影をつけていてさらに赤が深くなっています。
やはり赤は人の心を惹きつける色です。

その赤を引き立てるように柱は黒ノロになっています。そして赤壁には小端瓦が梅の形や水や雲の形になって描かれています。その隙間を塗るのは大変だったでしょう。特別なコテも作ってもらいました。その数40本。小さな隙間を埋めるほそーーいコテもあります。爪楊枝くらいの隙間なのです。

それを全国から集まってくれた18人の左官職人さんたちが一気に仕上げてくれました。

今日は、蔵の入り口となる玄関のしっくいの仕上げです。これがまた美しい。コテの技が光る素晴らしい仕事なのです。夕方暗くなるまでその仕事を見させていただきました。

岡部泉

日田の旅館

2017年9月2日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎宿題もだんだんと減って。

日田の旅館はまさに佳境。昨日までに沢山の意匠や指示書を出しました。確実に私の宿題は終わりに近づいています。8月の末までに、現場の皆さんが困らないように未決の素材や意匠がないようにしたいと思っていました。私に課せられた宿題は残すところあと数項目となっているはずです。

ここ1ヶ月、現場に行けていないので、次に行く時が楽しみです。
梅干し壁に瓦が貼られていることでしょう。この作業も見たかったな、、

同時並行で、梅酒工房や売店、道の駅があります。考えてみたらかなりの仕事量です。
我ながら、よくぞここまでやれたものだと思います。関わっているのが、不肖の弟子、T君と二人だけなんですから。これも現場の皆さんの協力あってのことです。現場がとてもいい関係で進められたことが一番の助けでした。長い現場はやはり楽しく面白くが原則です。まだ終わってはいませんが、ようやく7合目。ここまでありがとうございましたと申し上げたいです。

岡部泉

弟子、日田の旅

2017年8月24日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎今日は納品日

今日は、スタッフのT君に一人で納品作業に言ってもらいます。弟子の一人旅です。日田の旅館は9月に部分開業するのです。その第一回目の納品です。うちは企画もしてデザインもして設計もして備品のコーディネートもして納品もします。まさに旅館の仕事を丸受けって感じなのです。いつもは私も張り切っていくところなのですが、この暑さが不安。。。そこで私は居残りで送迎バスのデザインをしたり、T君の報告を受けて指示を出します。
(北の案件はY君が一人で打ち合わせ、、みんながんばれ)

朝早くからT君から細かな連絡がラインで届きます。日田の案件なのでやはり日田のものつくりを取り入れることにしています。日田の家具屋さんにお願いしたキッズエリアの杉の家具が出来てきたそうです。なんだかその家具屋さん、うれしくて楽しくなっちゃって、他の家具もグリーン、黄色、オレンジと色分けして塗っちゃったとのこと。あれま、、でも梅酒の熟成カラーではありませんか。。仕方ないな。これもなんとか受け入れるしかありません。キッズエリアが広がっちゃうな。

梅干し壁と呼んでいる日田の左官の原田さんがやってくれる赤い漆喰壁も始まったそうです。早くいろんなことを解決させて行かなくちゃ。

岡部泉

養生

2017年8月12日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎ジャクソン並みの養生

日田の現場に高級風呂ジャクソンがやってきました。随時N氏が画像を送ってきてくれます。今が一番現場がどんどんとできた上がっていくときなので、現場に行きたいのは山々ですが今は少し辛抱して体調を整えます。

ジャクソンはとても高級なものなので、周りのタイルやいろんなものが完成しないと養生を剥がせないとのことでした。ということでグレーのジャクソンのほんの片鱗しか画像には写っていません。グレーのジャクソンはおそらく日本でも珍しいと思います。大概は無難な白を選ぶところ。
グレーのジャクソンはひびき渓谷の懐にて大切に養生されています。

私も今は養生にこころ掛けます。まずは食事からです。ここ半年くらい食生活が乱れていました。まさに人の体の基本は食養生からです。朝からひじきを炊いたり、魚を煮たり、昆布水を作ったりと以前の食生活を取り戻しつつあります。仕事は50パーセントダウンにして夏休みを過ごします。
ここ一週間はジャクソン並みに養生です。

岡部泉

日田の新館

2017年8月5日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎屋根ができたぁ、、庭がみえてきたぁ

2月から始まった工事ですが、1階2階3階とコンクリートが打ち上がり、ようやく最後、屋根。毎週のように通う現場ですが、仮囲いの向こうに屋根の形が、、。見えてきたぁ。高さを制限したつもりでしたが、それなりに勾配もあり大屋根としての迫力があります。こうして屋根ができて全体のプロポーションが見えてくるとようやく建物としての存在感を感じることができます。となると、この館の車からのアプローチの視点が気になります。こんもりと茂った濃い緑色の大きなクヌギが2本、この館の半分を覆ってみえます。そこで造園やさんのK氏にこのクヌギを大胆に剪定してもらうことにしました。こんなにおおきくなったクヌギに申し訳ないなと思っていましたが、K氏は大丈夫、クヌギはすぐにおおきくなるからねと。そうか、原木椎茸の材料にしてもらえばいいかと思いざっくり切ってもらうことにしました。
(このクヌギを使って原木椎茸栽培を広い広い敷地の中でやればいいんじゃないかと心の中で思うのですが、そんなことをしたいなんて思う人はいないかぁと思ったり。。本来はこんなに土地があるので食材を育てたいって思うくらいじゃないと山の料理屋の価値って生まれないと思うけど。。そこらへんの菌床椎茸を出しても仕方ないんだけどな。。)

さて、話を戻すと造園という仕事はとても大事です。造園は建物と自然との調和を図るいわば潤滑油のようなものです。ここの壮大な景色と人工的な建物との調和を図るのはかなりむずかしさがあります。ここは里山的ではなく、原始の隆起してきた古代を感じるような風景なのです。作りこみすぎるとかえって自然と離れすぎて分離したものになります。しかし何もしないと庭としては成立せず、人が過ごしづらいのです。壮大な景色と人の手が入った庭を交互に眺めた時に、おかしくならないようなバランスが必要です。程よい自然との結界をつくることがこの現場には求められています。

時にこの施設面積は相当に大きいのですが、手入れもされずに放置されつづけてきた植木たちはその結界の役割を放置されたかのようでした。造園のK氏にこの木があるべき役割に戻す作業をしていただきます。上手に結界と結界を外したところを作ってもらう、これが今回の造園のテーマです。
随分と大胆に野放図な木が整理されていきます。これからの調整が楽しみな造園の段階に入っていきます。

それにしてもこの暑い暑い日々が続く中、働いてくれている現場の人たちに感謝をすると同時に体に気をつけていただきたいと思うのでした。

岡部泉

左官の物語

2017年8月4日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎原田さんの材料は日本をめぐる

私の左官好きの理由は何かというと左官ほど自然素材を使う仕事はないなと思うからです。今日は、日田の新館の梅干し壁と言っている赤い壁のベンガラの色を決めることと段取りの打ち合わせを日田の左官の名士、原田さんとします。日田には左官仕事がたくさん残されていますが、どのまちにも左官の由来があるようです。一通り打ち合わせが終わって、原田さんの左官の講話が始まります。私の大好物な話です。

もともと、原田さんの家は土間をつくったりする普通?の左官をしていたそうですが、ある時、昔ながらの左官の魅力に取り憑かれたそうです。そこから日田どころではない九州を代表する左官になられるわけですが、その左官の魅力とは、その素材のこだわりにあると思います。そしてその自然の素材同士がある工程の中で巻き起こす科学の妙だということです。大きくは土とつなぎの素材の話なのですが、お話を聞いているとまるで健康な料理の話みたいです。シックハウスに悩まされる人たちにとって土壁は健康建材なので納得です。

まず、函館の天然の銀杏草(関東ではツノマタと言われているもの)のお話。銀杏草は漆喰の糊の役割をするそうです。漆喰の主な材料は「消石灰」と「すさ」とこの糊、つまり「銀杏草」。原田氏曰く、とっておき銀杏草は函館のものだそうで、わずが4月の15日〜30日の収穫時期にしか採れなくて、それも潮目を見ながら採るそうです。そして「すさ」。すさは大麻草の茎を乾燥させてつくるものですが、今は何やら大麻草って言うと悪いようなものですが、元々は大麻は神事に使われる神聖な植物です。しめ縄も相撲のまわしも大麻から採れる麻なのです。最近は、ジュートだったりで代用したりしているでそうです。ふ〜ん。土壁は本当に自然の産物からできているんだと改めて思います。しかし、だんだんと採取する人もいなくなったり、その産物もイエローデータになりかけているようです。
いつも伝統工芸というものは、自然環境を図るものだと思うのです。伝統工芸は、単に技術の伝承でなくその背景を現代につなぐためにあると思います。
その背景とは人が自然と共生することを美を介在しながら伝えているように思います。驕るなよ、人間。守ろう、自然。こんなことを伝統工芸には感じるのです。

そして、そこには不思議なことに自然が教える科学があると気がつくのも、面白いことです。工芸の存在理由に、古代から実証されてきた科学の力があるということ、それが工芸の魅力であり、ますます工芸をさらに愛おしくさせるのです。

再び梅干し壁が楽しみになりました。

岡部泉

梅の意匠

2017年8月2日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎まずは梅、梅、梅の絵を描こう

いろんなことあるけど、今、目の前にあることをきちんとやろう。奥日田温泉の最終のオープンは今年の11月です。だから10月までには納めないといけないのです。そのためにはわたしの仕事は8月が決戦なのです。ということでこの日田のデザインは7合めまで見えてきました。もちろん現場はまだまだ先があります。今5合めくらいだと思います。一番苦しい時かと思います。暑い中本当に大変なことと思います。梅干し色の左官壁はどうなるのかな。。

わたしの仕事は最後の山、特殊意匠というアクセサリーをつけてあげることです。これがわたしの物件ではとても大事です。アクセサリーは派手すぎてもいけませんが、地味でも非日常空間では物足りないものになるのです。

旅館は住むわけではありませんので、ある意外性も必要です。しかしレストランよりも長い時間を過ごすのでその意外性も優しめがいいですね。
とりあえず、梅の絵をたくさん描かないといけません。梅、梅、梅。今週のわたしの課題です。

岡部泉

東京打ち合わせ

2017年7月27日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎今日は初めての東京打ち合わせ

今日は、いつも大分で打ち合わせしている建設会社の方々が当事務所に見えて打ち合わせをします。いつも現場事務所で会っているメンバーなので、妙に恥ずかしいような変な気持ちになります。いつも先生って呼ばれてあーでもないこーでもないって言ってるのに、先生、、こんなとこぉ?って思われないようにと思いますが、急には変えられないので、室温だけはむやみに急冷にしておきました。

ひえひえにしすぎたのか、いつも暑がりのN氏がこそっと空調の温度を下げにいくくらいでした。サービス過剰だったかな。打ち合わせをひとしきり行い、設計士のT氏は残念ながら先に九州に帰り、夕方からは残ったメンバーで反省会、という飲み会。
大分では珍しいものと思って、うちの近所では人気のポルトガル料理屋へ行きます。いつもは焼酎ばかりなのでワインと洒落てみました。でもN氏はもともと新宿育ちなのにいつの間にか九州人そのものになっています。いつもながらに楽しい反省会でした。

岡部泉

日田祇園祭り

2017年7月23日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎日田研究です。遊びではなく。

今日は日田最大のお祭り、日田祇園祭りの日です。昼はうがるような暑さで、工事現場に人に熱中症でも出ないかと心配になるほどです。まだそんな状態になる人はいないとのことでホッとします。

打ち合わせの最終日。夕方になるとそわそわとしつつ、現場のこともあるのでオロオロとします。
日田見物のメンバーは若手ホープのN氏とおおやまチームで行きます。親方たちは福岡へ行ってしまいました。日田祇園祭りはやはり京都からの流れのようですが、重要無形民族文化財とかに選ばれていると聞きます。被災のあったことから今年はどうなんだろうと思いましたが、開催はされました。しかし案外人はまばらで、来るのが遅かったかとおもっていましたが、京都と違ってのんびりと開催されているようでした。屋台もでてないところが清潔感ありです。

ぶらりぶらりと行くと各所に山鉾が展示されています。各山鉾はデザインが違っていて、何かの物語を演じているようです。大概鬼退治がされているものが多いので私としてはどうもねって思うのでした。どこかの民族が原住していた民族を駆逐するのは横柄かと思ったりするのです。

それでも中国的な色彩が多く見られる中、それはそれで美しいものです。もう練り歩きが終わってしまったのかと思った瞬間細い路地から電線をよけながら強大な山鉾がやってきました。お囃子の人も6人位乗っているでしょうか。相当な重さとバランスの難しいものだと思います。おっお祭りらしい!山鉾がえっさえっさとやってきました。大人も子供はお祭り法被を着てかっこいいです。そして私たちのいるところで、これをみてくれと言わんばかりに数分止まってお囃子が鳴り響きます。これって運がいい。N氏をみるとご自慢の一眼レフで激写。目の前50センチの山鉾の漆絵をじっくり見回します。さすがに梅の絵が書いてあるところが嬉しい。

いやいや普段の行いがいいので特等席で山鉾に接することができてよかったです。その後はお決まりの居酒屋の夜へと急ぎます。

岡部泉

工事は続くよ2

2017年7月12日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 奥日田温泉 うめひびき

◼︎記憶が飛ぶようになってきた

とうとういろんな人にデジャブが訪れるようになりました。あれっ、それおととい決めたよね、あれっ同じこと言ってるよね、そうだっけ?とそれぞれについ先日のことを何回も繰り返しています。
もちろん私も全く記憶に自信がなくなりました。そうだったそうだったと何度も脳に覚えさせようと思っているのですが、また記憶が溢れ出て忘れてしまうようです。これもストレスから逃れる手立てなのだと思いますが、全員そうなった時はヤバイです。

こういう時はリフレッシュも必要です。棒を持って肩を回す肩こり体操も教えてもらったし、記憶がなくなりそうになったら体操です。

今日もギリギリまでやって福岡空港へ向かいます。

岡部泉