花べっぷ完成

2012年4月25日 | izumi | 別府温泉

■別府の新しい顔となりますように

久しぶりの別府です。もう初夏の様子です。川に沿って鯉のぼりが50匹ほど気持ち良さそうに青空に泳いでいます。なんと懐かしくも嬉しい風景でしょうか。まだまだ日本の暮らしがここには残っています。別府に来るとその何とも言えない日本の変わらないゆるりとした人情味を感じるのです。別府が新鮮に感じるのは、失い欠けているものがここにあるからかもしれません。

昨年度から始まった別府温泉の「花べっぷ」という名の旅館がようやくできました。「ふんわりやさしく」がテーマの旅館です。そして、地元の食材はもちろん、生産者さんの紹介、そして竹工芸の方々に参加してもらっての地元色の強い旅館です。JR九州さんがクライアントの旅館の仕事でした。企画から設計デザインからグラフィックまでを担当させてもらいました。JR九州の電車は、日本一のデザイン性と企画性をもっていると思います。わくわくする列車の旅に、ゆるりとした旅館、、列車と宿と地元の食で、地域の活性化を計るという素晴らしい考えに賛同して参加させてもらいました。

工事の最後のチェックを兼ねて試泊をします。うちのデザイン部のほとんどの子たちが旅館のオープンのために入れ替わり立ち替わり手伝いにきてくれました。助手のY君はすでに10日間このオープンのために細かな納品やら取り付けやらをしています。これまで幾つかの旅館の立ち上げを一緒にしてきましたが、立派に一人で立ちあげを手伝えるようになったのは、頼もしい限りです。

まだまだ建物自体は、新しいゆえにぎくしゃくしているところがありますが、そのうち使っているうちになじんでくるでしょう。なんと言っても、リビングの竹のパーティーションは本当に圧巻です。竹は素直でまっすぐな素材ですが、人の手によって自由な形に変えられていくのです。波のようなそんな竹のうねりが心を沸き立てます。やがて、日が差して竹の色も変化していくことでしょう。建物も時間と人によって変化していくのです。

旅館という業態は、使われるお客様によって変化をしていくものです。お客様に育てられいくものなのでしょう。旅館業はホテルよりも複雑でサービスも難しいものです。日本人らしい気遣いのあることが要求されます。最近はなかなかそんな気遣いが出来なくなってしまいました。しかし、この花べっぷは、小さいゆえに心の通じるやさしい旅館です。ふんわりやさしく、、このコンセプトは間違っていませんでした。

お料理も料理長が生産者さんを訪ねてくれて良い食材を集めてきてくれました。有機農法や無農薬にこだわり、愛情のこもったお料理となっています。これからどんどん良くなっていくことでしょう。お料理に一番必要な要素は、食に対する愛情だからです。その証拠に、ほんとに新鮮な野菜に炊きたての釜飯、そして甘みの強いうちの卵、オリジナルの醤油、朝食だって大満足です。

JR九州皆さん、分鉄の皆さん、皆さまのおかげで、温かい良い旅館になりました。昨年来よりの感謝を含め、花べっぷの成功を心よりお祈りします。

そしてべっぷの町に沢山の方が来てくれますように。。

岡部泉

別府工事会議

2012年2月15日 | izumi | 別府温泉

■急速になる工事会議

決めることだらけの工事会議でした。あれもこれも、、それはそうです。やや遅れ気味なくらいです。館内はすでに柱だけの状態になっていました。なにもかも無くなってしまっています。耐震補強もされて、あたらしい旅館に生まれ変わります。

夕方までびっしりの工事会議を終え、大分空港に向かいます。
別府は今日も雨でした。。。

岡部泉

九州で家具の打ち合わせ

2012年2月14日 | izumi | 別府温泉

■よい家具は手作りの愛情から

今日は、福岡で旅館に使う家具の打ち合わせ。デザイナーの方と制作の方との打ち合わせです。プロとの打ち合わせは楽しいものです。家具に対する愛情が伝わってくるようです。やはり物つくりはこうであって欲しいものです。安いからっていう理由だけで、中国調達で済ませてしまうのは、寂しいのです。愛情が乗り移らないじゃない。。。
しかし、彼らは大工場でつくるわけではないので、受注にも限りがあります。福岡あたりは、4月までの開業のところが多いらしく、どこも忙しいようです。案外、景気は悪いわけではなさそうです。

今回は、床に近い家具という設定です。畳を多用していることもあり、座面が高くないデザインにしました。新しい畳ライフの提案です。椅子の脚にも畳を傷つけないようなデザインにして一工夫です。家具のデザインの傾向は、何となく北欧風です。日本の素材にはなぜか北欧のデザインが合うのです。
どちらも、素材重視で、シンプルさを追求する国民性だからでしょうか。

5時間ほど打ち合わせをして、大分、別府に向かいます。

別府では、地元のNPO法人であるべっぷプロジェクトさんにお会いします。なんと立派なNPO法人さんで、18人もの若者が働いていました。うちの会社よりも規模が大きくて、仕事の内容も充実しています。こんなに良い感じで仕事ができるなら、うちの会社も日本の工芸を推進するNPO法人でもいいのかなって思いました。
いつもいつもお金に追われているくらいなら、デザイン会社もいっそNPO法人で貢献した方がいいなと本気で思います。。

そんなうらやましさも感じつつ、相当遅い夕ご飯を食べに旅館へ向かいました。

岡部泉

九州と北海道の旅館

2012年2月14日 | izumi | 別府温泉

■料理長さんの研修

今、作っている九州の旅館の料理長さんとスタッフの方々が、支笏湖の水の謌へ研修に来ているそうです。雪に囲まれた北海道にさぞ驚いていることでしょう。でもこうして研修として受け入れてくれることは、とても嬉しいことです。それぞれ、習慣や仕事のルールも違うことでしょうが、また良い刺激になればと思います。
九州と北海道、風土は異なりますが、良い旅館にしたい気持ちは一緒です。九州は別府の旅館のオープンは、4月末です。がんばってください。

我々は、朝、九州へと向かいます。

岡部泉

花べっぷのパンフ

2012年2月6日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 別府温泉

■ちょいちょいと絵を描くのは楽しい

もともとは絵が好きで大学に行ったのですが、大学ではちっとも絵を描きませんでした。モダンアートを専攻したせいか絵なんてものは、時代遅れのアートだったのです。大学を卒業後、デザインの仕事に入りましたが、仕事上で絵を描くことが必要となり、仕事として、再び絵を描くようになりました。リアルなものから、抽象的なもの、和風のものまで、望まれるままに描いていきました。そんなイラストレーターのようなデザイナーのような仕事もしつつ、流れのままに今があります。

しかし、元来、書道の一環で中国の水墨画に興味があったこともあり、そのうち最もシンプルな俳画が好きになりました。いつかこんな風に簡単に絵が描けたらと仙涯の絵を前にして思っていました。今でも、まだまだそんな境地ではなく、落書きのような絵です。それでもプレッシャーなく頭も使わず描く絵が楽しいのです。

そんな絵が沢山ある花べっぷのパンフレットを作りました。「ほんわりやさしく」が、宿のコンセプトですがそんな気分のパンフができました。

岡部泉

別府温泉工事会議

2012年2月2日 | izumi | 別府温泉

■なめてはいけない、大分の冬

北海道が寒いのは当たり前。しかし、南の国、大分別府も実は寒いのです。だから今の時期のふぐは一番美味しいのですが、、、毎回行く度に雨が降り、雪に変わるのです。今回の工事会議の帰りは、高速道路を走る合間に、じゃんじゃん雪が降り、空港に行き着かないかと思うほどでした。しかし、また丸く柔らかな形の山々に降る雪は、北海道の原生林に降る雪と趣きが異なり、良いものです。日本の雪景色です。

今回の別府の温泉宿の工事会議は、課題も豊富でようやく忙しくなりました。これで始まったなという印象です。今回の工事は、いつもの苦しい見積もり査定の嵐に巻き込まれることない外部的な立ち位置です。心なしかさみしいような、楽しているような妙な心持ちで会議に参加しています。それでも、誰もが困らない良い案配はどこなのかを探って行きたいと思っています。譲れるところ、譲れないところ、なかなか難しい判断が続きます。

でも、行き着くところは、この宿が別府の人々に愛され、別府の新しい活性化に役立ってくれることが願いです。旅館の役割は、その館が流行ることだけではなく、地域がその旅館によってさらに活性化することなのです。旅館は地域の文化や経済や観光を支えるものなのです。
別府は竹工芸の町です。しかし、竹工芸を町で見かけることはありません。専門店も無い状態です。それではいかんと思い、今回の旅館では竹を沢山使う事にしています。ラウンジのパーティションも14メートルもあります。その10分の1の模型を竹工芸館の油布さんにお願いしていおきました。楽しみにして伺ったら、約束通り、油布さんはつくっておいてくれたのです。感激です。骨組みのことなどを相談して、この模型を工事現場に持って行きました。みんなが驚くかと思いきや、案外普通、、ちょっと残念。。。まぁ、こういうもの好きな人って少ないのかもしれません。だから竹工芸がこの町から少なくなったのかもしれません。それでも、この竹の良さをあらためて知ってもらう宿にしたいと思っているのです。

これまで私たちが手がけたきた旅館は、少なからず過疎化した商店街を再生したり更なる観光客の導入を促したりしてきました。支笏湖、定山渓、網走湖などに新しいアクションを与えてきたように思えます。初めて北海道を出て、九州は別府に来ました。
ここ別府の地でも旅館ができる最大の効果をもたらしたいと思っています。地域には様々な問題があるでしょう。しかし、旅館は楽しい空間です。楽しいことはやがて、人の心にしみこんで、良い効果をもたらすものです。そんな旅館の役割を果たすべく、工事を成功させたいと思います。

とかなんとか語るだけでなく、頼まれていることをどんどんやらねば、ウエブのデザインとそのイラストと、備品と売店の提案と、そうそう、急ぎはリニューアルパンフ。それを作らねば、、、、いそげぇ!

岡部泉

べっぷの竹

2012年1月19日 | izumi | 別府温泉

■竹細工の本場

九州の旅館のラウンジにつける竹のパーティションをつくってもらうために竹工芸館を訪ねます。別府といえば竹。そう思うのですが、あに図らんや別府には竹工芸の店が少ない、とういうより無いような気がします。町を歩いても、竹工芸は見当たりません。もう竹はここのシンボルではないのでしょうか。竹のざるだってもうステンレスにはかなわなくて使われないような気がします。竹かごだって夏以外はいらない気もするし、竹って季節商品の扱いになってしまっているのでしょうか。しかし、私にとって竹は日本を象徴する素晴らしい工芸なのです。そのメッカが別府なのです。

ここに旅館を作る以上、竹を使わずして何を使うのかってことです。早速、竹工芸館で、ここの竹工芸の先生にお話しをしました。快く引き受けて下さいました。竹の説明を伺ったり、竹の将来が不安だという話もされていました。もっと竹工芸を町がバックアップしてくれればとお話しされていました。そうだと思います。もっともっと竹工芸の町にしなくてはなりません。若い女の子が熊本から竹工芸を習いに来ていました。こうして伝統がもっと守られていって欲しいと思います。

そのお手伝いができればと思うのです。料理の器にも竹を使っていくつもりです。旅館はお客様のためだけでなく、地域のためにもあるのだというのが私の旅館のミッションです。

岡部泉

大川の家具展示会

2012年1月12日 | izumi | 別府温泉

■家具の町、大川

博多から車で1時間半ほどで大川に着きました。ここは家具の町です。今度の旅館で使う家具をお願いしにいきます。たまたま、この展示会があることを知りました。宮本先生からご紹介いただいた熊本のデザイナーの方に、案内までしてくださって、ありがたいことです。展示会場でいろいろ説明をしてもらい、だいたいの様子がわかりました。早速、旅館の説明と家具の方向性についてお話しをして目処をつけました。サンプルをつくっていただくことになりました。

すこしづつ決まっていくのが楽しいのです。次は、久留米絣と掛川という花ござを訪ねます。

岡部泉

福岡の居酒屋

2012年1月11日 | izumi | 別府温泉

■夜が楽し

旅館は企画が命です。もちろん建物もインテリアも大事ですが、中身なんですね、やはり。今回の旅館は小さく町の中にあるので、いわゆる旅館に求められる条件にはあたりません。しかし、そこは逆転の発想なのです。小さいということは、サービスがゆき届くと考え、町の中ということを、駅から近くて便利と考えていくことです。ゆえに、企画が大事。

とか何とかご説明し、プランを沢山出してもらえるようにお願いしました。
すっかり夜も更け、博多の町に繰り出します。博多の町はリーズナブルな店で賑わいます。鳥鍋の店に行きます。こんな感じの店、昔学生の時にきたもんだと懐かしくなります。こういう店に来るとなぜか声が大きくなるもの、、、いやはや博多の夜は楽し、、

岡部泉

今日から九州へ

2012年1月11日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 別府温泉

■大分は旅館の宝庫

大分という県は、旅館の平均レベルがとても高い県だと思います。景色良し、お湯良し、素晴らしい旅館が多いところです。湯布院、黒川しかり、旅館の宝庫です。茅葺き屋根に太い大きな梁、黒光りした柱、苔むした風情のある庭、古びた佇まいが訪ねる人々の心を、理想的日本のふるさとへと誘います。

ウエブを見ていると、こんなとこに行ってぼんやりしてみたいと本気で思います。どんなにか癒されることでしょう。しかし、どれも案外お高い。大概3,5万円以上。東京から行って帰ってきて交通費込みで10万くらいかかるでしょう。癒しの旅ってお金かかるなぁ、、
いつも仕事ばかりの旅です。たまにはと思いはするものの、出費を考えるといけないものです。

そう思うと、本当に来て良かった、また来たいと思ってもらえるお手軽価格の旅館をつくりたいと思います。私のように思う人の方が多いはず。それと良い旅館とは、景色や立地や建物だけではありません。やはりサービスと料理も大切です。全体の費用対効果が旅館の価値を決めるのです。最後は、やはりお見送りの笑顔でしょうか。またここに帰って来たいと思わせるそんな旅館目指して、また、企画書を書き続けるのでした。

岡部泉