岡部泉

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岡部泉

碧の座工事会議

2018年12月3日 | izumi | 碧の座物語

◼︎ようやく北海道らしい寒さに

今週も工事会議が始まります。東京は春みたいに暖かいというのにこちらは雪混じり。でも北海道らしいキンとした寒さに背筋が伸びます。工事会議を行う現場事務所は、北海道初のユースホステルです。初というだけあって相当に年季が入っています。窓ガラスは北海道だというのにシングルガラスで木製。風が吹くとガタガタと音がしています。

でもこの建物はアントニン・レイモンドに学んだ方が建てたもので、レイモンドのモダン建築を引き継いで作られているように思います。私の本棚にはレイモンドの建築集があるくらいで、この時代のモダン建築には思い入れがあります。この建物は、レイモンドが作る教会のように全くの三角形の屋根が特徴的です。中に入ると中央に螺旋階段があります。これもレイモンド風です。螺旋階段には螺旋に合わせてくるくるとあがる鉄の手すりがいい感じです。螺旋階段の腰の框に黒い革が巻いてありレトロ感と当時のモダンが混ざっていていい感じです。すっかり傾いてしまった建物で、現場事務所の事務員の方はこの傾きにめまいを起こすそうです。

最近事務員さんがいないなと思ったらそんな理由でした。他の人たちは大丈夫そうなので相変わらず熱気を帯びた工事会議は続いています。でも夜遅くなるとさすがに寒いので、我々の旅館の会議室に移って第二工事会議をやっています。

4階まで立ち上がった躯体をみるとだんだんとこれからの1ヶ月が想像できて怖いです。。

岡部泉

岩手山

2018年11月30日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎山に寄せる思い

私は山がとても好きです。東北の支援活動で岩手県を訪れることが多くなりました。今日も沿岸に向かいます。盛岡に着くと北上川の向こうに岩手山が見えます。岩手はやはり岩手山でできていると思うのです。どの地域にも代表的な山があります。

私が小学校に住んでいた家は玄関開けると富士山という立地でした。毎日朝に夕に富士山を観察していたことを思い出します。朝は日の出の位置を毎朝確認していました。どうして山にはそれだけの思いがこもるのでしょうか。

自分の存在よりもはるか向こうにあって、遠い時代からそびえる山。超えられないものがそこにあると思うのです。私は登山家ではありませんが、山に登るといつも思うのは、人はここでは生きられないんだ、人と山が住む場所はちがうんだと思います。神聖な山には俗人は住めないんだと思うのです。

若い時にネパールのヒマラヤに近い山に登ったことがあります。目指した山にはヨギ二という神様に近い役割をする人が住んでいました。おとぎ話みたいに思いますが、その人はお祈りをしながら私の額に赤い塗料をつけてくれました。その赤い点の意味はわかりませんでしたが、とても神聖な儀式に思えました。しかし、この山には選ばれた人にしか住むことを許さないんだと思いました。

俗人は旅人として山を訪れるしかありません。それでも山は期待以上の成果をくれます。だからまた人は山に登りたくなるのだと思います。

遠くに雪をたたえた岩手山。ここに住む人たちはこの山の形を拠り所にして、どこか救われているのだと思うのです。

岡部泉

ご苦労様

2018年11月25日 | izumi | 碧の座物語

◼︎Y君は頑張る

碧の座の図面修正が東京に戻ってからも続きます。どうやらY君、現場に早く平面詳細のチェックをしてあげたいと頑張っている様子。

例えば客室。客室というものはあとからいろんなサービス要素が出てきて、ようやく機器が決まってくるので、サイズやデザイン変更をしなくてはならないことがよくあるのです。
スピーカーやらウーハーやら、大量のグラス類、、こんなにあるの?、、あとからあとから、、入んないんだけど。と思うのですが、なんとかしなくてはなりません。小さい変更でもドミノ倒しのように波及して、ガラガラと変わってしまうこともあります。もう配管も出来てしまっているので微調整も電気屋さん、設備屋さん、木枠やさんなどに確認しなくてはならず案外大変なのです。

後から後から私もデザインを変えないといけないので、またY君はその修正も伝えなくてはなりません。今日も遅くまでご苦労様です。

岡部泉

クイーンは永遠に

2018年11月24日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎今日はフレディマーキュリーの命日

今、公開されている映画「ボヘミアンラプソディー」をこの命日の日に観に行こうと思っていました。しかし打ち合わせがあったりといけませんでした。でも近いうちに必ず行こうと思います。まさに私のある時代をクィーンとともに過ごしました。今日は映画の代わりにクィーンを聞く日にしました。いずれも名曲であったなとあたらめて感心。

遠い昔ですが、一度フレディマーキュリーさんに会ったことがあります。これはまさに偶然。とある大きな芸能プロダクションの社長さんとプライベートなお誕生日会をしている時に遭遇。その時一緒にいた社長とその芸能プロダクションの社長さんとが親しくて、私が「ファンなんです」というと紹介してくれました。立ち上がった体が大きくて、しかしとても静かな様子でした。そして、少し微笑んで握手をしてくれました。その時はソロで活躍している時だったと思います。

これが私の自慢の思い出です。

しかし、また新しい時代にこうして登場して、新しいファンが増えていく。でも私はフレディマーキュリーの高音ボイスを聞くとどこか寂しいような悲しいような不思議な気分になります。才能があって人気があって、特別な人生。普通の人ではわからない不幸と幸せがあったと思います。ただ、この時代、誰かにもやもやする矛盾を叫びたいそんな思いがありました。時代の匂いを感じさせる胸が張り詰めるようなそんな音楽なのです。

岡部泉

遮光器土偶

2018年11月23日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎昔も今も女性は目を大きく見せたかった

出張からもどると私の机に30センチくらいの遮光気土偶がおいてありました。もちろんレプリカです。益子でつくられたものです。今益子の仕事もしているので、そのご縁でT君が買ってきてくれました。私の縄文好きを知ってのことです。中でもこの遮光器土偶は一番のお気に入りなのです。

ゴーグルをしているという説もあり遮光器土偶と名付けられました。宇宙人のようなこの少し意地悪そうな目が私に似ています。しかし、この大きな目は今のアイラインのようなもので、縄文女子のお化粧だったのだと思います。今も昔もくっきりとした大きな目がおしゃれだったのだと思います。またこの子はイヤリングをしていて、そのイヤリングは赤い漆で作られていたそうです。縄文女子はおしゃれさんだったのです。肩幅のしっかりした土偶に刻まれた模様も素敵。しっかりと両足で地面を踏みしています。土偶は子孫繁栄の願いをこめて作られています。青森で出土した本物の遮光器土偶は左足が欠けています。土偶は完全な形で発見されることは少なく、壊すことによって生きている人間や死者が救われていたのかもしれません。そこも土偶が切なく可愛らしいところです。

もし、私が縄文時代に生きていたら、全く無能なものであったと思います。子孫繁栄の役割も出来ないでいるのですから。せめて土偶や土器作りの職人か、衣装や漆のアクセサリーの職人になってお役に立つしかありません。

岡部泉

碧の座工事会議4

2018年11月22日 | izumi | 碧の座物語

◼︎ニックネーム

工事会議にはたくさんの職種の人たちが参加します。鉄工系、金属系、大工系、家具系、建具系、石系、、、。
それぞれの人たちにニックネームをつけて覚えます。どの現場でもこんな調子です。でもそれでとても親しみが持てます。

でも4日間遅くまで張り切るとそれなりに疲れます。今日の最終便で戻ります。

岡部泉

碧の座工事会議3

2018年11月21日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎月に叢雲

部屋に戻るともう12時を過ぎています。ふと部屋から空を覗くと黒い雲の輪郭が光ってその輪郭が美しい。その古代からこんな空はあったはず。神秘的な光景だが威嚇されているようで不安になる。輪郭を刻々と変える黒い雲の恐怖を打ち消すように光り輝く月が姿を見せる。それは黒い龍の目のように見える。黒い龍が光ながら胴体を揺らしながら黒い空に踊る。その目はどんどん大きくなっていく。

冷たい冬の空に姿を見せた月は神々しい。月に叢雲。しかしこの叢雲が月を引き立たせる。叢雲はドラマをつくるんだな。

と部屋の露天風呂に浸かりながら月と叢雲のドラマを優雅に温かくみるのでした。

岡部泉

激震

2018年11月20日 | izumi | イエローデータデザイン日記, 碧の座物語

◼︎ゴーン、ショック

工事会議が夜の11時頃に終わり、バーでビールでほっとしていると、「ゴーン逮捕」のニュースを知りました。今年一の激震。ガーンです。

もっともっととお金を欲しがることがもっとも貧しいことです。会社のために働いく社長さんではなかったのです。私欲のために働いていたのだと思うと、本当にあの経営手腕もとても汚れた手に思えます。グローバル化を進める経営者の給料は破格なものです。その陰にたくさんの人たちが泣かされているんだろうと思います。

それにしてもショックです。一体なにがあったんだろう。

岡部泉

碧の座工事会議

2018年11月19日 | izumi | 碧の座物語

◼︎北海道に雪がない

今日から碧の座工事会議がまた始まります。今年は北海道も暖かく雪が降りません。東京とさして変わらないように思えます。青く広がる空の向こうに粉雪をうっすらふりかけたような不風死岳が見えます。堂々と構えた藍色の裾野が支笏湖に溶けていくようです。

北海道の湖らしい雄大な光景です。水の謌の改装工事から、今回の碧の座の新築工事まで、毎年毎年10年に渡りこの景色を飽きずに見てきました。ひとつの土地にこれだけ通うということがあるのだろうか。この土地に暮らしているか働いているか、どちらでもない人が。どれだけの縁があるんだろうかと思います。その縁も来年で終わります。来年5月1日、この館はオープンです。あと半年。重要な半年となりました。

追われるような忙しさは想像がつきます。もっともっと追い詰められていくんだろうなと思います。恐怖には思えませんが、ちょっと引き気味になります。いつも工事はなんとか終わるものなのです。去年もそう思いました。もうだめかもと思うのですが、いろんな人たちのおかげで終わるのです。それが工事の結束力です。

さぁ頭を絞っていこう。

岡部泉

東京にいても

2018年11月17日 | izumi | イエローデータデザイン日記

◼︎東京の事務所にいても落ち着かない

めずらしく一週間、東京の事務所にいれることになりました。少しはほっと出来るのだろうかと思っていたら、案外出張よりも心が落ち着きません。もうすっかり心も体も旅人になってしまっているのか、なんとなく居ずらい気がします。

事務所にいるといろんな相談事や打ち合わせが絶えずあり、集中できないのです。管理、会議、交渉、これが本当の社長業なんでしょうが、クリエイティブ派としては結構大変。管理に向いてないんですね。早く代わりの社長をやってくれる人が来てくれないかなと、こういう時は心から思うのです。

土日や祝日が私が一番落ち着いて仕事ができる曜日です。さて、この土日に、来週一週間いないので皆にきちんと指示を残すために仕事をしておきましょう。なんとなく一人になれてほっとします。ほとほと社長に向いていないなと思うのです。

岡部泉